子どもたちに希望ある未来を…
日本共産党 新宿区議団 > 2017年第3回定例会 代表質問
  • 区議会活動

    2017年第3回定例会 代表質問

    9月20日の本会議で、沢田あゆみ議員が以下の項目について代表質問を行いました。

    1. 区長の政治姿勢について 【区長】
    2. 2016年度決算を踏まえた財政運営と次期総合計画等について 【区長】【教育委員会】
    3. 観光客の急増に対応するまちづくりと民泊について 【区長】
    4. 介護保険について 【区長】
    5. 障害者福祉について 【区長】【教育委員会】

     

     

    ◆32番(沢田あゆみ) 日本共産党新宿区議会議員団の沢田あゆみです。2017年第3回定例会に当たり、会派を代表して区長並びに教育委員会に質問します。
     臨時国会が28日開会されますが、安倍首相は国会冒頭で解散・総選挙を行うと報道されています。早期に国民の審判を仰ぐことは当然のことですが、臨時国会冒頭での解散は、「加計・森友疑惑隠し」を狙ったものであり、許せません。私たち日本共産党は、野党と市民の共闘で安倍政権を倒す決意を申し上げ、質問に入ります。
     最初に、区長の政治姿勢について質問します。
     第1は、北朝鮮の核実験強行に関してです。
     北朝鮮は、9月3日に6回目の核実験を強行し、その前後に弾道ミサイル発射をいたしました。世界と北東アジアの平和と安定を脅かし、国際連合安全保障理事会決議や6カ国協議の共同声明に違反する暴挙です。北朝鮮の核実験に対し、区長も区議会も抗議文を送付しましたが、私もこの暴挙を強く糾弾するものです。
     その後、北朝鮮とアメリカの軍事的緊張がエスカレートしており、偶発的な事態や誤算も含め、軍事的衝突が起これば、日本にも甚大な被害が及ぶ危険性があります。軍事衝突は絶対に回避しなければならず、そのためには米朝の直接対話が必要です。区民の命と安全を守る立場にある区長として、米朝両国に直接対話を促し、軍事的衝突を避けるよう政府に求めるべきです。区長の見解を求めます。
     第2は、核兵器禁止条約を日本政府が採択することについてです。
     ことし7月、核兵器を違法化する核兵器禁止条約が国際連合加盟193カ国中122カ国の賛成で採択されました。被爆者を初め、世界中の核兵器廃絶を求める長年の努力が実った歴史的快挙です。
     「すべての国の核兵器の廃絶を全世界に訴える」ことを明記した新宿区平和都市宣言の趣旨とも合致した画期的な条約だと思いますが、区長は核兵器禁止条約をどう評価しておられますか。
     8月に長崎市で開かれた第9回平和首長会議で、条約採択に尽力された国際連合事務次長・軍縮担当上級代表の中満泉氏が基調講演されました。区長も参加されたそうですが、御感想をお聞かせください。
     一方で、唯一の戦争被爆国である日本の政府が、本来なら条約採択の先頭に立つべきなのに、国際連合の会議に出席すらしなかったことは被爆者から激しく非難され、国際社会からも批判されています。
     ことしの広島市・長崎市の平和式典で、両市長や被爆者から条約への参加を求める発言が相次ぎましたが、安倍首相はかたくなに拒否しました。核兵器のない世界をつくることは、日本国民共通の願いです。北朝鮮の核の危険を考えても、この条約に参加することが危険を回避する道です。
     私は、政府が条約に参加しないことは、国民に対する重大な背信行為だと思いますが、区長はどう思われますか。平和都市宣言を行っている新宿区の区長として、政府に条約参加を要望すべきと考えますが、区長の御所見を伺います。
     第3は、安倍政権による憲法9条改憲についてです。
     安倍首相が5月3日に、憲法9条に「自衛隊」を明記する改憲を行い、2020年に施行すると宣言し、6月には秋の臨時国会に自民党改憲案を提案したいと表明しました。その後、7月の東京都議会議員選挙で自民党が歴史的大敗を喫し、支持率が大幅に下落した後は、「スケジュールありきではない」などと発言し、秋の改憲案提出は困難と言われていた矢先に「解散・総選挙だ」と言うのです。
     しかし、安倍首相が改憲を諦めたわけではありません。安倍首相が表明した、憲法に自衛隊の「意義と役割」を書き込む9条改憲案の狙いは、海外での武力行使を無制限に可能にすることです。
     区長は、就任直後の定例会で、「憲法第99条をどう受けとめますか」と私が質問したのに対し、「憲法の遵守義務は公務員として当然の義務であると考えています」と答弁されました。
     安倍首相は総理大臣であるとともに国会議員でもあり、憲法第99条で規定する憲法尊重擁護義務を免れません。その安倍首相が9条改憲を表明することは憲法違反だと考えますが、区長の見解をお示しください。
     第4は、小池都知事が関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文送付を取りやめた問題です。
     1923年の関東大震災直後、デマにあおられた民衆が多数の朝鮮人を虐殺したことは、中央防災会議報告書にも記載され、教科書にも記述された史実です。犠牲者を悼む式典が市民団体によって毎年9月1日に墨田区内の公園で開かれ、歴代都知事が追悼文を寄せてきたのに、小池都知事はことしの式典に追悼文を送ることを取りやめました。
     知事は、「関東大震災の全犠牲者を追悼する法要に出たから」と言いわけし、記者会見で「さまざまな見方がある」「歴史家がひもとくものではないか」と述べて、虐殺の事実を認めようとしませんでした。
     私は、過去の民族差別の事実や加害の歴史から目を背けるべきではないと考えます。
     吉住区長は、関東大震災後に朝鮮人虐殺があった事実を認める立場でしょうか。政治家として明確にお答えください。

     

     

    ◎区長(吉住健一) 沢田議員の御質問にお答えします。
     区長の政治姿勢についてです。
     初めに、北朝鮮の核実験強行についてのお尋ねです。
     まずは、米朝両国の直接対話、軍事的衝突回避を政府に求めるべきとの御質問についてです。
     現在、国際連合安全保障理事会において、国際社会が連携して対応を進めているところであり、引き続きその動向を注視してまいります。
     次に、核兵器禁止条約をどう評価するかとのお尋ねです。世界の国々が核軍縮のために団結し、核兵器の廃絶に向けて取り組みを進め、核兵器のない世界をつくっていくことは大変重要であると考えています。
     次に、第9回平和首長会議総会における中満泉氏の基調講演の感想についてです。
     中満氏は、「条約の採択により核保有国・同盟国と推進派の国々との間に溝をつくらないよう、対話で埋めていくことが必要だ」と述べられました。また、核兵器禁止に向けて国際的規定や軍縮の規範づくりと、多くの市民とともに活動することの重要性を強調されました。私もそのとおりだと思います。
     次に、政府の核兵器禁止条約不参加をどう思うか、また政府に条約参加を要望すべきとのお尋ねです。
     日本が安全保障上の理由で条約不参加となったことについては、残念に思っています。
     区が加盟する平和首長会議では、条約への参加も含め、核兵器の廃絶を進める取り組みを政府に要請しています。区は、その一員として、新宿区平和都市宣言に基づき、今後ともすべての国の核兵器の廃絶を全世界に訴えてまいります。
     次に、安倍政権による憲法9条改憲についてのお尋ねです。
     憲法を尊重し、擁護することは、公務員として当然の義務であり、国会議員である総理大臣も憲法第99条の規定を遵守する義務を負っているものと認識しています。
     憲法9条の改正について、さまざまな意見や考え方があることは認識しています。憲法の改正については、憲法の規定に基づき、国民の意見を広く聞いた上で進められるべきであると考えています。
     次に、関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典における追悼文送付についてのお尋ねです。
     関東大震災直後における朝鮮人虐殺については、犠牲となられた方の人数など、さまざまな意見があると認識しています。いずれにしましても、災害発生後におけるデマや、デマにあおられた人権を侵害するような行為は、あってはならないと考えています。また、関東大震災により犠牲となられた方々へ追悼の意がささげられるべきものと考えます。

     

     

    ◆32番(沢田あゆみ) 次に、2016年度決算を踏まえた財政運営と次期総合計画等について質問します。
     最初に、2016年度決算を踏まえた財政運営についてです。
     2016年度の実質単年度収支は17億3,000万円の黒字で、4年連続の黒字決算となりました。年度末の基金残高はさらにふえ、425億円となりました。歳入面では、納税人口の増加と1人当たり納税額の増加で区税収入が伸びている一方、ふるさと納税による減収や特別区交付金の原資である法人住民税の一部国税化による影響は相当な額に及んでいます。今後も歳入確保の努力とともに、区の財政力を活かして区民生活を支えることが求められています。
     以下、質問です。
     第1は、国の税制改悪による影響についてです。
     ふるさと納税及び法人住民税の一部国税化による影響額を導入時から今年度見込みまで累計で、できれば年度ごとの額もあわせてお示しください。
     影響の大きさから言っても、このまま国の言いなりになっているわけにはいきません。私は、昨年の第1回定例会で、一部国税化について、「23区が合同で決起集会を行うぐらいのことをしなければ、1度奪われた財源を取り戻すことはそう簡単ではない。特別区長会がさらなるアクションを起こすよう、吉住区長が提案すべき」と申し上げました。
     既に累積で数十億円もの影響額ですが、さらに企業版ふるさと納税の導入も検討されており、一方で消費税が10%になったら、影響額は年間20億円との試算もあります。
     私たちは、消費税増税には反対ですが、区長は消費税増税についてどのようにお考えで、増税による影響についてどのような見解をお持ちかお答えください。
     国の税制改悪に対して、23区の区民決起大会など一歩踏み込んだ提起を区長会でしていただきたいと思いますが、区長の見解を伺います。
     第2は、都区財政調整(以下、「財調」と言います)についてです。
     一部国税化によって都区財政調整のパイが減らされていることに加え、そもそも都区の配分比率の見直しが必要ですが、都と区の間では大きな制度変更などがあったときに見直しの協議をするとなっていますから、児童相談所の区移管が具体的準備段階に入った今、いよいよ都に強く迫っていかなければなりません。区長の決意をお聞かせください。
     第3に、今後の財政運営についてです。
     財政調整基金の取り崩しは2年連続ゼロで、基金残高は当初見込みよりさらに増えていることを見ても、区の財政は至って好調と言えます。23区でも基金を増やしている区が増えていますが、中にはため込んだ基金を駅前再開発などにつぎ込もうとする動きもあるように聞いています。
     区長は、特定目的基金と財政調整基金を今後どのように活用しようとしているのかお答えください。
     私は、一定の基金を確保することは必要と思いますが、区民生活と密着したところにもっと活用すべきと考えます。いかがでしょうか。
     次に、次期総合計画等について伺います。
     私は、10年前の基本構想審議会と都市計画審議会の委員として現行計画の策定にかかわってきました。その立場から、今回の素案の策定過程を見たときに、前回は、曲がりなりにも区民会議の提言や地区協議会による地域別まちづくり方針の提言のような区民からのボトムアップの仕組みがありましたが、今回はそうした過程がありません。
     基本構想審議会における議論の経緯を見ても、事務局の対応は、残念ながら、稚拙と言わざるを得ず、今現在行われているパブリック・コメント自体も周知が不十分で、「区民参加」が保障されたとは言いがたい状況です。
     区長は、基本構想は変更せず、現行計画の基本理念は引き継ぐのだから、前回のような参加の仕組みは必要ないとおっしゃるのでしょうが、今回の素案では、基本構想や現在の基本計画の核をなしている「住民自治」や「人権尊重」の考え方が言葉の上でも、具体的事業においても軽視され、後退しています。そうした姿勢は、さまざまな形で矛盾を生むのではないでしょうか。
     基本構想や現行の基本計画で強調されている「住民自治」や区民の区政参加を保障することは、自治基本条例にうたわれている区民の権利です。自治基本条例は区民と議会、行政が一緒につくった最上位の条例です。計画策定に当たっては、自治基本条例に立ち返る必要があると思います。
     以下、質問です。
     第1は、自治基本条例の具体化についてです。
     今回の計画では、自治基本条例をさらに前へ進め、懸案となっていた問題を実行に移していくことが必要です。自治基本条例では住民投票について定め、具体的には住民投票条例を制定することとなっています。「区長と話そう~しんじゅくトーク」、いわゆる「区長トーク」で、これに関する質問に対し、区長は、「機運の醸成がされていない」などと言われましたが、条例で決めたことを実行しない理由にはなりません。踏み出せない理由は、外国人の投票権を認めることに抵抗があるからではないでしょうか。
     いつまでも先送りするのではなく、第一次実行計画の計画事業に掲げ、具体化すべきではないでしょうか。
     外国人の投票について、区長はどのようにお考えかもあわせてお答えください。
     自治基本条例第3条の基本理念では、「区は、人権を尊重し、一人ひとりを大切にする区政を行う」とあります。この理念を基本計画でも明記すべきです。
     この間、障害者差別解消法が施行され、さらなる具体化が求められています。10年前には十分認識されていなかった性的マイノリティへの差別解消について、基本計画には記述されたのに、第一次実行計画には具体化がありません。計画事業とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
     第2は、地区協議会(以下、「地区協」と言います)についてです。
     自治基本条例では、地域自治について定め、「地域自治組織を置くことができる」としています。一方、基本構想では、「地域の課題は地域が主体となって、自らの創意と工夫により解決できるよう、地区協議会に対する人的及び財政的支援を充実し、地区協議会の機能強化を促進します」とあります。
     地区協議会に対する人的配置を事実上廃止し、財政的支援も激減するという区の方針に対して、「区長トーク」でも、「区長がかわったから急に方針が変わったのか」「基本構想と違うのではないか」などという意見があちこちで出されました。
     区は、この方針をことし3月の地区協議会連絡会で説明し、「おおむね了解をいただいた」などと説明していますが、少なくとも私の住む戸塚地区では了承とはほど遠い状況で、「議会答弁を訂正すべき」との意見さえあると承知しています。
     唐突感を訴える意見に、「区長トーク」では、「平成22年度の外部評価で見直しを言われ、監査からも指摘がされていた」との説明でした。平成21年度監査報告書で述べられた意見は、「地域協働事業への支援事業」と「まちづくり活動助成事業」は、地域におけるイベントや協働に向けた活動など類似するものもあるので、事業内容が重複していると思われるものは再検討し、補助事業の見直しをすべしというものですが、そうした監査委員の意見を今日までの8年間で、いつどのように地区協議会に伝え、何を検討してきたのかお答えください。
     重複している事業があるとしたら、どの地区協議会のどの事業がどの団体の事業と重複しているのか、具体的にお示しください。
     また、平成22年度の外部評価は、単に見直しを言っているだけでなく、自治基本条例で言う地域自治組織の位置づけが別条例で制定されるには二、三年かかるだろうから、それまでの間に地区協議会への補助金について4年間の実績を検証して、地域特性に見合った効率的な事業に対し助成するよう見直しをと言っています。
     それから7年たち、自治基本条例検証会議も行われましたが、地域自治組織について、それ以上の議論はされていません。
     地域特性に見合った効率的な事業とは何なのかお示しください。そのことを地区協議会に、いつどのように示したのかお答えください。
     地区協議会は、10年前、総合計画の地域別まちづくり方針の提言をしてもらうことから区の主導で立ち上げた組織です。地区協議会関係者からは、監査や外部評価のことを7年も8年もたってから今ごろ言い出すのはなぜかと疑問の声が出ています。地区協議会への支援については、問答無用に削減するのではなく、地区協議会の皆さんと組織のあり方も含めて議論を重ね、地域自治組織についても議論を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
     第3は、これまで区が行ってきた調査結果を計画に活かすことについてです。
     この間、区は、区民の要望に応えるため、さまざまな実態調査を行ってきました。その結果を踏まえて、いよいよ第一次実行計画で新規・拡充事業が打ち出されるものと期待していました。しかし、素案では逆に計画事業から外されてしまったものさえありました。
     例えば、子どもの貧困対策とひとり親家庭への支援、空き家対策、空き店舗対策、民泊対策、教員の多忙解消策など、せっかくの調査を活かし、区として積極的に取り組む姿勢を示すためにも、計画事業で新規・拡充事業を具体化すべきではないでしょうか。
     第4は、公共施設等総合管理計画との関係についてです。
     区民にとって障害者や高齢者、子育ての施設整備は待ったなしの要求です。しかし、第一次実行計画では、障害者や高齢者の施設は民間任せで、数値目標もめどが立っているもの以外は数字が書かれていません。保育園も2018年4月に待機児童ゼロ達成と、その維持を掲げていますが、具体的には再開発絡みの整備のみで、増大する認可保育園の需要に応えられるものではありません。
     学童クラブについては、保護者からの強い要望と基本構想審議会での重ねての要望にもかかわらず、「ひろばプラス」でお茶を濁そうとしていることは許されません。
     区立の施設はつくらず、障害者福祉施設や介護施設は民設民営で、区としての目標値すら示さない姿勢は、公共施設等総合管理計画が全体を拘束しているからにほかなりません。
     公共施設等総合管理計画は廃止し、区民の要望に応える施設整備計画を数値目標も明確にして進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
     第5は、パブリック・コメントについてです。
     次期総合計画等の地域説明会としての「区長トーク」が終わり、パブリック・コメントの締め切りとされている9月25日が迫っています。
     今回のパブリック・コメントは、基本計画と都市マスタープランから成る総合計画と第一次実行計画、まちづくり長期計画の素案という膨大な量の計画が対象ですから、事前に目を通さなければ意見の言いようがないのに、素案の冊子が公表・配布開始されたのは8月25日、「区長トーク」の開始当日でした。冊子は7月に作成されていますが、議員に配られたのは8月7日で、ホームページでのわかりやすい公開も要請してきましたが、トップページで示されたのは9月12日でした。意見の受け付けも文字通り縦割りで、基本計画とまちづくり計画とでは提出先が異なっています。区民の意見を聴く姿勢に疑問を持たざるを得ません。
     パブリック・コメントの締め切りを延長して、可能な限り区民が意見を出せるようにし、寄せられた意見については、最大限計画に取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。
     以上、答弁願います。

     

     

    ◎区長(吉住健一) 平成28年度決算を踏まえた財政運営と次期総合計画等についてです。
     国の税制改正による影響等についてです。
     初めに、ふるさと納税による区の歳入への影響についてです。
     ふるさと納税の累計影響額は約22億4,500万円で、導入時の平成21年度は約900万円、以降2年間は約1,200万円でした。平成24年度は東日本大震災の影響等で前年比11.6倍の約1億4,000万円となりましたが、翌年度は約3,100万円となっています。
     その後、制度の周知が進み、影響額は平成26年度が約6,700万円、平成27年度が約1億2,500万円となり、さらに平成28年度は控除限度額が個人住民税所得割の1割から2割に引き上げられたこと等の影響で、約6億8,100万円までに大幅に増加しました。
     平成29年度は、寄附額・寄附者数の増加により約11億6,800万円と推計しております。
     次に、法人住民税の一部国税化による区の歳入への影響についてです。
     特別区全体では、消費税率が5%であった平成25年度と比較すると、平成27年度は約300億円、平成28年度は約700億円、平成29年度は約628億円の減収と試算されています。
     これを新宿区のシェア率で算出すると、平成27年度は約8億円、平成28年度は約20億円、平成29年度は約18億円の減収となり、累計で約46億円の減収と試算しています。
     次に、消費税率の引き上げについてです。
     少子高齢化の急速な進展や国・地方ともに厳しい財政状況のもとで、国民が安心し、希望が持てる社会保障の実現が求められています。
     こうした中、持続的な社会保障制度を構築し、その安定財源を確保する観点から、段階的に消費税率を引き上げることは必要であると考えています。
     しかし、消費税率の引き上げは、地域経済に対して影響を与えることが懸念されるため、低所得者に対する支援や経済状況に応じた中小企業への配慮が必要であると考えています。
     特別区は、超高齢化への対応、人口減少に歯どめをかける子育て施策や社会インフラの老朽化対策、また首都直下地震や自然災害への備えなど膨大な行政需要を抱えており、こうした状況のもと、将来を見据えた計画性、持続性のある財政基盤を確立し、区民の負託に応えていかなければなりません。
     このため、特別区長会は、「税源偏在是正議論についての特別区の主張」を表明するとともに、本年8月には、国に対し、改めて法人住民税の一部国税化を早期に見直すこと、また地方財政に影響を与える税制改正を行う場合、国の責任において確実な代替財源を確保すること、ふるさと納税制度については、制度本来の趣旨に立ち返って見直すことなどを要望として取りまとめ、内閣府等に強く申し入れました。
     次に、都区財政調整の配分割合の見直しについてです。
     現行の配分割合は、平成12年度の都区制度改革以降、積み残しの課題であった都区間の財源配分率を平成19年度都区財政調整会議の結果、三位一体改革等の影響も踏まえ、それまでの区側配分割合を52%から55%へと改めたものです。
     この配分割合は、中期的に安定的なものとし、大規模な税財政制度の改正があった場合や、都区の事務配分、または役割分担に大幅な変更があった場合などに変更すると都区間で確認しており、毎年、都区財政調整協議会において配分割合を変更する事由の有無について確認しています。
     現在、特別区では、都区財政調整協議に向けて、児童相談所の移管に伴う財源に関して議論を詰めています。
     特別区が政令の定めにより児童相談所を設置した場合の関連経費については、都区財政調整の基準財政需要額に算定されるべきであり、児童相談所関連の事務が都から区に移される役割分担の変更であることから、その規模に応じて都区財政調整の配分割合の変更をすべきと主張してまいります。
     今後の財政運営における基金についてのお尋ねです。
     基金には、区税等が大幅な増収となった場合に積み立て、財源が著しく不足した場合に活用する財政調整基金と社会資本等整備基金や義務教育施設整備等次世代育成環境整備基金など、あらかじめ特定の目的のために積み立てる基金があります。
     平成29年度末の基金残高の総額は417億円と見込まれ、区債残高の213億円を204億円上回ることから、区は一定の財政対応力を確保していると考えています。
     リーマンショック以降の厳しい経済環境の中、安定的に行政サービスを展開することができたのは、特別区税等の一般財源が好調な局面にあっても、堅実な財政運営や各種基金への積み立てを行い、財政対応力の涵養に努め、区財政の健全性を確保してきたことによるものです。
     今後とも、基金については、急激な経済変動や増加する行政需要にも的確に対応できるよう、世代間の公平性や後年度負担にも十分配慮しながら、さらなる確保と効果的な活用に努めてまいります。
     次に、自治基本条例の具体化についてのお尋ねです。
     初めに、住民投票条例の制定と外国人の住民投票への参加についてです。
     住民投票については、投票の対象とすべき事項、選挙で選ばれた長や議会の権限との関係、投票結果の拘束力のあり方など、地方自治制度との関係において検討すべき多くの論点があると認識しています。
     また、外国人の住民投票への参加についても、さまざまな議論があると認識しています。
     このため、第一次実行計画の計画事業とすることは考えていませんが、引き続き、これらの課題の整理を行うとともに、区民や議会の意見を十分に聞きながら慎重に検討していくことが必要であると考えています。
     次に、人権尊重についてです。
     基本計画(素案)に掲げる基本政策Ⅰ「暮らしやすさ1番の新宿」は、高齢者、障害者、子ども、女性、若者など区民一人ひとりが尊重され、誰もが自分らしく安心して心豊かに暮らすことのできる地域社会の実現をめざしたものであり、それぞれの個別施策の中に「人権尊重」に関する視点を盛り込んでいます。
     これらを具体的に進めるため、第一次実行計画(素案)には、「障害を理由とする差別の解消の推進」に啓発活動等や相談事例を踏まえた取り組みの効果的な推進を、「男女共同参画の推進」に多様な生き方を認め合う社会づくりに向けた新たな取り組みをそれぞれ位置づけているところです。
     次に、地区協議会についてのお尋ねです。
     監査委員の意見をいつどのように地区協議会に伝え、何を検討してきたのかについてです。
     監査委員の意見を地区協議会に最初にいつ伝えたかについての詳細は確認できませんでしたが、当時は自治基本条例の策定中であり、同条例の「区民参加の仕組み」の検討結果を踏まえ、この2つの補助事業の見直しを行うものと判断したものです。
     その後、自治基本条例検証会議においても地区協議会の位置づけが明確にされなかったことから、平成27年11月に地区協議会に対し、具体的見直しの提案を行いました。
     次に、地区協議会のどの事業がどの団体の事業と重複しているかについてです。
     地区協議会を対象とした「まちづくり活動支援補助金」と町会・自治会やNPO等を対象とした「地域協働事業助成」で対象や事業内容が同一のものはありません。
     一方、同一の特別出張所管内で実施主体が異なっても目的や内容が類似する事業もあり、監査の結果はそのような事業についての指摘であると認識しています。
     次に、地域特性に見合った効率的な事業は何か、それをいつ地区協議会に伝えたかについてです。
     区内10カ所の地区では、まちのたたずまいや成り立ち、人口構成等が異なり、地域課題もさまざまです。区では、それらの地域課題の解決に直接結びつく事業が効率的であると認識しており、それらの事業に補助すべきという外部評価委員会の意見は、地区協議会に対し、平成27年11月に示しています。
     次に、地区協議会への支援の削減は、組織のあり方も含めて議論を重ね、あわせて地域自治組織についても議論を進めるべきとのお尋ねです。
     区は、地区協議会を、各地域の課題を自らの発想と力で解決していく地域づくりを進める組織と考えています。このたびの助成制度の見直しは、地区協議会が区と対等な関係を築きながら、自立した地域団体として活動を展開していくことができるためのものと認識しています。
     今後は、新たな助成制度について地域の皆さんに丁寧に説明するとともに、庶務事務の移管についても地区協議会の自立した活動を支援できる制度としてまいります。
     なお、地域自治組織については、まだ機が熟していない段階で、今後さらに議論を深めていく必要があると認識しています。
     次に、区が行ってきた調査結果を計画に活かすことについてです。
     区では、地域の実情や区民ニーズを的確に把握し、より適切な行政サービスを提供するため、意識調査や実態調査を行っています。
     これらの調査結果を踏まえ、計画事業や経常事業において事業の新規・拡充や再編を行うとともに、事業手法の見直しや工夫を行っています。
     例えば、ひとり親家庭の支援では、アンケート調査でいただいたひとり親同士の交流を望む意見を受け、ひとり親家庭の生活支援講演会を実施する際に相談交流会もあわせて開催しています。
     また、商店街の空き店舗対策については、空き店舗検索サイトによる情報提供を行うとともに制度融資の紹介を行うなど、創業を目指す方にも積極的に働きかけながら取り組んでいきます。
     さらに、民泊問題については、都市部における住宅宿泊事業に関する適正なルールを定めた条例の制定に向けて取り組んでおり、区民の平穏な生活環境を守ることで、安全・安心を確保してまいります。
     今後もさまざまな調査結果を踏まえ、計画事業に限らず、経常事業においても区民生活を支えるサービスを提供してまいります。
     次に、公共施設等総合管理計画と障害者や高齢者、子育て施設の整備との関係についてのお尋ねです。
     現在、約180棟ある区有施設の半数以上が建設後30年以上を経過しており、今後、老朽化が進むにつれ、施設の維持管理に係る経費の増加が見込まれます。
     また、少子高齢化の進展に伴い、社会保障関連経費の増大が懸念されるとともに、行政サービスに対する区民ニーズも多様化しています。
     こうした状況の中、公共施設に係るコストや将来必要とされるサービスに対応する施設量などを踏まえ、最善のバランスをとる区有施設マネジメントの強化が喫緊の課題となっており、区有施設の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針を定める公共施設等総合管理計画を策定したところです。
     今後は、本計画に基づき、長寿命化や複合化、多機能化など、適切な区有施設マネジメントを行ってまいります。
     また、公共サービスは、必ずしも区が施設を保有しなければ実現できないものではありません。今後も公共サービスの提供において民間の力を活用するなど、施設からサービスへと発想を切りかえ、区民にとって必要な公共サービスの確保に努めてまいります。
     次に、パブリック・コメントについてです。
     今回の計画素案については、8月25日から9月25日までの約1カ月間をパブリック・コメントの期間として実施するとともに、「しんじゅくトーク」として区内10カ所で地域説明会を行いました。
     パブリック・コメントの期間は適切であると考えており、今後は区民の皆様からいただいた御意見を最大限計画に反映できるよう策定作業を進めてまいります。

     

     

    ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。
     教員の多忙化解消策を第一次実行計画に反映することについてのお尋ねです。
     今回の調査結果を踏まえて、教育委員会では、教員が業務に専念できる環境の整備や働き方の意識改革、部活動の負担軽減などの対策が必要であると考えています。
     第一次実行計画には、教員の多忙化解消策として、部活動を支える環境の整備を位置づけていますが、教員の働き方や環境の整備などについては、今年度策定中の新宿区教育ビジョンの中で取り組みの方向性を示すべく進めています。
     また、国や東京都に働きかけていく必要のある対策については、今後も引き続き他区と連携して取り組んでいきます。これらの取り組みを通して、教員の多忙化解消を進めてまいります。

     

     

    ◆32番(沢田あゆみ) 次に、観光客の急増に対応するまちづくりと民泊について質問します。
     政府は、観光を成長戦略の大きな柱にし、2020年には4,000万人にふやし、その国内消費を8兆円とする観光立国推進基本計画を閣議決定しました。東京都も2020年には2,500万人と現状の約2倍にし、都内消費は2.7兆円と上方修正しました。
     新宿区産業振興会議第3期報告書は、「来街者による賑わいの創出」を区の産業振興の三本柱の一つに位置づけ、期待を寄せています。
     最近は、中国からの観光客の爆買いが減っているようですが、区長は、新宿区のインバウンド数と区内消費は現状どの程度で、2020年までにどこまでふえると見込んでいるのか、まず伺います。
     東京都を訪れる外国人観光客の約6割が新宿・大久保エリアを訪れるとのことで、観光客誘致に懸命になっている自治体から見れば、新宿区は特殊なのかもしれませんが、新宿に住み・働き・学ぶ区民の安全や利便を脅かしている側面も看過できません。
     例えば、「通勤ラッシュの電車に大荷物の観光客が押し寄せて、発車がおくれて会社に遅刻した」「歩道が観光客で満杯で、安全に通行できない」など、今でもインフラ整備が追いつかないのに倍増目標を立てるなら、それにふさわしい環境整備が求められていると思います。このことに関する区長の概括的な認識を伺い、以下、具体的に質問します。
     第1は、民泊についてです。
     ことし6月に「住宅宿泊事業法」、いわゆる民泊新法が成立し、遅くとも来年6月には施行されます。
     日本共産党は、旅館業法上禁止されてきた宿泊を安易に解禁する民泊新法に国会で反対しました。また、私たち区議団は、ことしの区政アンケートで民泊についても質問しました。
     「民泊があることでの問題や不安」については、「深夜・早朝の騒音」「ごみの出し方」「たばこのポイ捨て」等で実際に迷惑をこうむっており、「火の始末」「マナーの悪さ」「治安の悪化」を心配する回答が寄せられました。
     この間、民泊で犯罪が発生したこともあり、治安にナーバスになっている回答もありますが、新法については賛否が分かれています。
     6日の「区長トーク」で、区長は、「自身としては新法に反対だが、区が国に働きかけて一定の手直しをさせたこともあり、法律には従わざるを得ない。今月中に政省令が発表され、9月8日には説明会が開催されるので、東京都とも協議しつつ新法施行前に区の条例を施行させる」と言われました。
     国が示した政省令は、検討会の議論でまとめた「新宿ルール」の内容を条例で実現できるものとなっているのでしょうか。政省令も出たところでの民泊新法の評価とあわせてお聞かせください。
     新法と条例が施行されたら問題がなくなり、区民の不安が解消できるわけではありません。条例制定と並行して対策を講じることが必要です。例えば、新法施行までにマンション管理組合が総会で規約を改定するようにと国土交通省がひな形をつくっているようですが、その周知・指導はどのようにされていますか。
     新法では、騒音など生活環境への悪影響防止について、外国人には外国語でわかるように説明する義務が事業者に課せられていますが、外国人観光客に徹底するための準備が必要ではないでしょうか。
     私どもの区政アンケートでは、「民泊施設があるか」との問いに140件ほど回答があり、具体的な所番地やマンション名も含めて多数の情報が寄せられました。
     区もホームページのトップで民泊について記載していますが、民泊に関する相談・通報のチラシをつくり、町会等の掲示板に張り出せば、今以上に情報が寄せられると思います。
     また、通報を受けて迅速に動ける職員体制を整備してこそ、条例が生きてくると思いますが、いかがでしょうか。
     私のところには、都営住宅の部屋に外国人を宿泊させているという苦情がありましたが、事実ならとんでもありません。区営住宅で同様のことがないか、対処方法も含めてお答えください。
     第2は、鉄道インフラの整備についてです。
     観光庁の「観光ビジョン実現プログラム2017」の主要施策トップが赤坂迎賓館に観光客を呼び込む対策ですが、最寄り駅は四ツ谷駅です。四ツ谷駅は駅前再開発で通勤者も大幅に増加が見込まれます。事故防止のために転落防止柵の設置を急ぐ必要があります。
     また、外国人が訪れる都内トップの新宿・大久保ですが、韓流ブームが去って一時減少していた新大久保駅の利用者が増加し、駅ホームや改札には人があふれています。さらに桜美林大学が百人町にキャンパスを建設中で、今後ロッテ工場跡地の再開発も予想されます。改札口をもう一カ所増加する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
     高田馬場駅は全国で12番目、都内で9番目に乗降客が多く、大久保三丁目の再開発で利用者が増加していますが、国や都のインバウンド目標が実現すれば、このままでは危険です。2020年はもう目の前です。区長として区内在住者や通勤・通学者、そして観光客の安全のために、以上述べた3駅については早急な改善をJRに求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
     第3は、道路環境についてです。
     明治通りから小滝橋通りの間の大久保通りは観光客であふれている上、看板や商品も路上に出ていて安全な通行の妨げとなっています。知り合いの高齢者は、「怖くてあの通りは歩けない」と言っています。中には歩道をはみ出して、車道を堂々と行き来する人もいて、これ以上観光客がふえたら大事故になりかねません。
     区は、昨年12月に路上障害物に対し、指導、勧告、除去・一時保管することを定めた「新宿区路上等障害物による通行の障害の防止に関する条例」を制定しましたが、効果はいま一つです。客引きについては、条例化とあわせて人的配置もして実効性を確保していますが、路上障害物についても道路管理者である東京都とも協議し、人的配置を増強し、見回りの頻度をふやすなど、実効性ある対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
     第4は、観光スポットまでの交通手段確保についてです。
     第一次実行計画では、区内の観光スポット等の資源を発掘して、新宿ブランドとして情報発信し、区内を回遊してもらう。また、区内企業の商品・製品を「しんじゅく逸品」として普及するが、1カ所のショップでまとめて販売はせず、お店まで行って購入してもらうと言っています。
     せっかくのブランドを有効に活かすためには、そこまでの交通手段を整備することが必要です。
     台東区は、コミュニティバス「めぐりん」を区民の足として利用するだけでなく、英語・ハングル・中国語でバス停や時刻表の案内をつくり、観光客も利用しています。新宿区でもコミュニティバスを走らせるべきと考えますが、いかがでしょうか。
     第5に、観光案内所の充実についてです。
     新宿駅東南口の区の観光案内所は利用客が多く、大変混雑しています。椅子の設置はなく、カウンターの脇の手荷物置き場に腰かけている姿が見られます。
     バスタ新宿3階の東京都の案内所は座って対応していますし、都庁1階の案内所も椅子が用意されています。新宿区の観光案内所にも座れるスペースを確保できないものでしょうか。
     新宿駅西口には、都庁インフォメーションセンターがあり、南口と東南口には都と区の案内所があります。東口にも1カ所案内所があれば、観光客も助かるのではないでしょうか。
     そして、できれば都庁1階のように、そこで新宿区の逸品を販売するコーナーが設置できれば、新宿ブランドを普及する上で役立つものと考えますが、いかがでしょうか。答弁願います。

     

     

    ◎区長(吉住健一) 観光客の急増に対応するまちづくりと民泊についてのお尋ねです。
     初めに、新宿区のインバウンド数及び区内消費についてです。
     現在、区では、区内のインバウンド数等について、東京都観光客数等実態調査及び東京都国別外国人旅行者行動特性調査のデータをもとに推計しているところです。
     観光客数等実態調査では、平成28年の都内全体の外国人観光客数を約1,310万人と推計する一方で、行動特性調査で「新宿・大久保を訪問した」と回答した者が56.9%であった結果から、新宿区のインバウンド数はおおむね745万人程度と考えられます。
     また、観光客数等実態調査では、平成28年の都内観光消費額は約1兆880億円と推計されていますが、消費地の区別がないため、区内の消費額の推計は困難な状況です。
     今後のインバウンド数の見込みについては、東京都観光産業振興実行プラン2017において、都を訪れる外国人旅行者数を2020年に2,500万人とする目標を掲げており、この目標値をもとにすると、2020年の新宿区のインバウンド数は1,423万人程度と推計されます。
     次に、観光客倍増の目標にふさわしい環境整備についてのお尋ねです。
     観光客倍増の目標については東京都が定めた計画でありますが、今後、新宿区にも多くの観光客が訪れることが予想されます。新宿に住み、働き、訪れる、誰もがゆとりを持って利用し、安全で快適に過ごせるインフラ施設を整備することが大切であると考えています。
     新宿区では、これまで国や東京都、鉄道事業者などと連携を図りながら、道路・公園や鉄道施設などのインフラ施設の整備を進めてまいりました。
     一方、インフラ施設の整備には長い期間を要するため、急激な来街者の増加に早期に対応することは難しい面があります。そのため、区では、インフラ施設そのものの整備だけではなく、案内サインの整備やバリアフリー化、違法看板・放置自転車の撤去など、インフラ施設の利用環境の整備と充実に努め、誰もが安全で快適に過ごせるまちづくりを進めていきたいと考えております。
     次に、民泊についてのお尋ねです。
     初めに、住宅宿泊事業の政省令の内容を踏まえた「新宿区ルール」の実現と、住宅宿泊事業法への評価についてです。
     法には、標識設置や利用者名簿の備えつけなど、新宿区民泊問題対応検討会議で検討してきた「新宿区ルール」の内容が多く反映されました。また、法には規定されなかった本人確認についても、国は政省令等で明記すると説明しています。
     国が示した政省令の概要は、「新宿区ルール」の内容を条例で実現することを妨げるものではありません。そうしたことから、区としては、これらの法令等を踏まえた上で条例を制定していきます。
     次に、マンション管理規約の周知指導についてです。
     8月29日に国土交通省からマンション標準管理規約の改正について通知が出され、住宅宿泊事業の可否に関する規定例が示されました。
     マンションについては、住宅宿泊事業を許容するか、許容しないかを管理規約上明確化しておくことが望ましいことから、区としては、これまでもマンション管理組合向けのセミナー等において周知啓発してきました。
     今回の改正通知を受けて、広報しんじゅくやホームページで周知するとともに、管理組合員同士の交流会等でも説明してまいります。
     次に、外国人観光客への生活環境の悪影響防止のための説明の準備についてです。
     外国人宿泊者による騒音やごみの出し方、ポイ捨て禁止等に関するルールやマナーの遵守について、今後、外国語によるルールブック等を作成し、事業者や管理業者を通して外国人宿泊者へ普及啓発を行い、マナーの遵守を徹底し、周辺住民の生活環境を守ってまいります。
     次に、民泊に関する相談・通報のチラシの作成と町会等の掲示板への掲示についてです。
     区としては、住宅宿泊事業法及び今後制定する条例等の内容について、広報しんじゅくや区ホームページに掲載するとともにチラシを作成し、区民への周知を図ってまいります。
     チラシについては、町会掲示板へ掲示をする予定はありませんが、町会等へ配布を行ってまいります。
     区民から寄せられた情報については、個別に調査するなど、適切に対応していきます。
     次に、迅速に動ける職員体制の整備についてです。
     今後、住宅宿泊事業法の施行を踏まえて、職員の増員や労働者派遣、外部委託等を検討し、体制の強化を図り、違法民泊に関する通報や苦情へ迅速に対応していきます。
     次に、区営住宅に外国人を宿泊させているかとのお尋ねです。
     これまでに、日ごろから区との連絡調整等を行っている住宅連絡員や入居者から、区営住宅に外国人を宿泊させて民泊として使用しているという情報や苦情は寄せられていません。また、職員が日々の業務で区営住宅に訪問した際においても、民泊として使用している様子は確認されていないことから、区営住宅が民泊に使用されていないと考えています。
     区営住宅は、公営住宅法に基づき、民泊として貸し出すことはもとより、他の者に貸すことが禁止されており、今後も区営住宅が民泊に使用されることがないように、入居者に配布している「住まいのしおり」などを活用して、周知徹底してまいります。
     次に、鉄道インフラの整備についてのお尋ねです。
     鉄道駅の利用者の安全を確保するためには、御指摘のとおり、ホームからの転落を防止する、いわゆるホームドアの整備は極めて有効なものです。
     このため、区としても補助制度を設け、ホームドアの整備促進を図っているところです。
     四ツ谷駅については、JR東日本から、現在ホームドアの整備の予定はないと聞いていますが、区としては、駅の利用者数の多寡にかかわらず、全ての駅でホームドアを整備すべきと考えており、JR東日本や他の鉄道事業者に対し、働きかけを行っているところです。
     新大久保駅については、これまでホームドアの整備やバリアフリー化について要望してきました。平成25年度にはホームドアが整備されています。また、エレベーターの設置を含めた駅舎の建てかえ工事は、平成32年6月完成を目指して進められていることから、現時点において新たな場所に別の改札口の増設を要望することは考えておりません。
     高田馬場駅については、これまで地元のまちづくり団体である高田馬場駅戸山口協議会と連携して、ホームドアの整備や改札の混雑緩和等に関する要望をJR東日本に対し行ってきたところです。この結果、ホームドアの整備や戸山口自由通路の改良などが行われました。
     今後も、区は、駅周辺のまちづくりや再開発の動向などを注視しながら、適切な時期に、誰もが安心して利用できる施設となるよう、JR東日本へ施設改善を要請してまいります。
     次に、道路環境についてのお尋ねです。
     明治通りから小滝橋通りの間の大久保通りでは、地元商店会の皆様の協力を得ながら、警察や道路管理者である東京都と連携して合同監察を実施しています。平成28年12月1日の「新宿区路上等障害物による通行の障害の防止に関する条例」施行から、平成29年8月31日までの期間に、看板や商品陳列台などの路上障害物を設置している延べ171店舗に対し、条例に基づく指導を行うとともに、除去・一時保管を1回実施いたしました。
     その結果、平成26年度では、合同監察1回当たり平均50件の路上障害物がありましたが、平成29年8月末現在では平均30件で約4割減少しており、条例施行による一定の効果はあったと認識しています。
     路上等障害物による通行障害を防止するためには、地域の方々の協力は欠かせないと考えますので、引き続き地元商店会の皆様のお力をおかりしながら、警察や東京都と連携した現行の体制を当面は維持し、条例の実効性の確保に努めてまいります。
     次に、コミュニティバスについてのお尋ねです。
     区内では、おおむね10分程度歩けば、最寄りの駅やバス停に到着できることから、著しく交通の利便性が低い地域はないと考えています。
     このことから新たなコミュニティバスを走らせることは考えていませんが、今後、観光客の増加などでバスの需要が増大した場合は、バス事業者へ運行ルートの検討などを働きかけていきたいと考えています。
     次に、新宿観光案内所の充実についてのお尋ねです。
     初めに、案内所に座れるスペースを確保することについてです。
     区の案内所には、大変多くの利用者が来所し、スペースも限られていることから、椅子を常時設置することは難しいと考えています。ただし、現在も御高齢の方や、ぐあいのすぐれないお客様が来所された場合など、スタッフ用の椅子をお出ししてお座りいただくなど適切に応じておりますので、今後も柔軟に対応してまいります。
     次に、東口に案内所を設置することについてです。
     御指摘のとおり、観光客の状況から東口エリアにも案内機能があることが望ましいと考えますが、駅直近に適切な場所がないことから、新たに設置することは困難な状況です。そのため、東西自由通路の整備に合わせて、JR東日本が開設を予定している案内所において、新宿区の観光情報を発信してもらえるよう働きかけてまいります。
     次に、新宿区の逸品の販売についてです。
     新宿ブランドを普及する観点から、当面は「しんじゅく逸品」紹介パンフレットを活用してPRを行い、販売店舗に誘導することで区内回遊性の向上と商品・製品の普及に努めてまいります。今後、観光客などの要望が高まった場合は、販売スペースの確保など、幾つかの課題はありますが、商品の販売についても検討してまいります。

     

     

    ◆32番(沢田あゆみ) 次に、介護保険について伺います。
     ことしの5月26日、「地域包括ケアシステム強化のための介護保険等の一部を改正する法律」が強行採決・成立させられました。この法律は、31もの法律を一括で改定し、その内容は、一定所得以上の人の利用料を3割負担にする介護保険の改悪にとどまらず、地域共生社会の実現の名のもとに、障害者・障害児、子ども、生活保護、医療などの施策に対する国・自治体の公的責任を大幅に後退させかねない重大な法律です。
     この法律が成立したもとで、新宿区では9月8日の高齢者保健福祉推進協議会に高齢者保健福祉計画と第7期介護保険事業計画(以下、「次期計画」と言います)の素案が示されました。
     以下、質問です。
     第1に、総合事業についてです。
     質問の1つ目は、総合事業の見直しについてです。
     新宿区の総合事業は、他区と比べ単価が低く、精算方式は月ごとから利用実績に変わり、収入減の影響と事務作業の煩雑さから、多くの事業者から悲鳴が上がりました。
     総合事業の対象となる要支援者や事業対象者の総数は、2015年度末4,378人、2016年度末4,329人とほぼ同数なのに、給付実績は訪問介護相当サービスで58.4%、通所介護相当サービスで77.4%と減少しています。
     採算がとれないことを理由に、要支援者等の利用を断る事業者もあります。
     昨年の第4回定例会で区長は、「関係者の意見を聞きながら実績を分析し、よりよい制度のあり方を整理している段階のため、事業の将来像は平成30年度から始まる第7期介護保険事業計画の中でお示ししていきます」と答弁されています。
     関係者の意見はどうだったでしょうか。それを区としてどのように分析し、どのように見直そうとしているのかお答えください。
     単価を引き上げ、精算方法を簡素化し、利用回数を改善するなど、対策をとるべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
     第2に、介護サービスの給付制限と保険料についてです。
     65歳以上の第1号被保険者が1年以上保険料を滞納すると、介護サービスの利用段階で給付の制限がかかってきます。新宿区で昨年度中に給付制限の決定を受けた人は36人で、7月末時点では22人です。区は、この22人の状況を把握しているのでしょうか。
     保険料滞納の未納期間により3段階の罰則があり、事実上、低所得者は介護から締め出されてしまいます。現在の仕組みでは、滞納が2年を超えると滞納分をさかのぼって支払おうとしても認められず、3割負担にされてしまいますが、今度の法律で3割負担になる人のペナルティーは4割負担に引き上げられます。
     生活保護になるなど事情があれば罰則対象外となりますが、単に低年金という理由では適用されません。このような過酷な罰則制度は直ちに改めること、保険料の引き下げや低所得者の負担軽減策を講じることを国に求めるべきではないでしょうか。
     7月末時点の滞納者は3,269人ですが、既に滞納に陥っている方には、2年を超えて滞納しないよう個別に相談を促すことや、払おうとしても払うことが困難な方には、区が保険料を助成することなどの対策も必要ではないでしょうか。
     次期保険料基準額の現時点での概算額は、前回より500円アップの7,200円です。負担の限界を超え、ますます滞納が深刻化します。
     一方、給付抑制により余剰金が3年前は9.7億円だったのが15億円程度と大幅に使い残しています。次期保険料については、余剰金を全額活用し、少なくとも値上げは避け、値下げを行い、区独自の減免制度を実施すべきです。区長の見解をお聞かせください。

     

     

    ◎区長(吉住健一) 介護保険についてのお尋ねです。
     初めに、総合事業についてです。
     区では、平成28年4月に開始した総合事業を今後さらによりよい制度として定着を図っていくことを目指しています。その一環として、サービス指定事業者との意見交換会を開催し、今後の事業実施のあり方として、「事業者の効果的なサービス提供を評価してほしい」「区民、ケアマネジャーに対する事業の周知が重要である」など貴重な御意見を多数いただきました。また、高齢者総合相談センターのケアマネジャーからの聞き取りでは、「総合事業の対象者は、買い物や掃除などの生活上の支援があれば日常生活を維持できるケースが多い」との声がありました。
     これらの意見等を踏まえ、平成30年度に予定されている介護報酬改定と時期を合わせ、訪問型サービスについては、有資格者である訪問介護員による訪問介護相当サービスと、区の研修を修了した生活援助員による生活援助サービスの差別化を図り、買い物、掃除、洗濯等の軽度の支援で日常生活が維持できる方には、生活援助サービスを利用していただけるような仕組みを検討しています。
     また、通所型サービスについては、通所介護相当サービスに事業者の効果的なサービス提供を評価することを目的とした事業所評価加算を導入することを視野に入れ、検討しています。
     なお、1回ごとのサービス料の支払いは利用者の負担軽減につながっており、従前のような月額払いに戻すことは現時点では考えていません。利用回数についても、現行の枠組みの中で引き続き適切なケアプランに基づき決定していきます。
     次に、介護サービスの給付制限と保険料についてのお尋ねです。
     区では、介護保険法に基づき、滞納状況に応じた給付制限を実施しております。実施に当たっては、要介護認定の申請があった際、まず滞納状況を把握し、対象者には給付制限が適用になることをお知らせし、納付を勧奨しております。その後、要介護認定日現在の滞納状況で給付制限を実施しています。
     給付制限制度は、被保険者の負担の公平性を担保するものですので、国に見直しを求めることは考えていません。
     保険料の引き下げ等については、介護保険財源の国庫負担割合を引き上げることで被保険者の保険料負担が過剰にならないよう国に要望しています。
     次に、滞納者に対する対応についてのお尋ねです。
     滞納者に対しては、催告書発送の際に給付制限に関して周知するとともに、電話や窓口での相談の際には、必ず御説明しています。
     さらに、分納による納付の相談にも応じ、納付状況に応じて定期的に納付書を送り、納め漏れのないよう対応しています。
     認定申請をされた方で給付制限の可能性がある場合は、家族等に通知し、滞納分の納付を促すなど、なるべく給付制限にならないよう、または制限期間が短くなるよう、きめ細やかな対応も行っているところです。
     なお、保険料については、非課税世帯が対象となる保険料第1段階から第3段階の方には、国の基準よりもさらに負担割合を低く抑えて設定しており、低所得者への負担軽減対策を既に区独自で行っていることから、保険料の助成等は考えていません。
     次に、次期保険料についてのお尋ねです。
     次期保険料については、今後、平成29年10月1日時点の高齢者人口を基準に、改めて要介護認定者の推計を行うほか、直近のサービス利用状況や介護報酬改定等の影響を踏まえ、給付費を精査して保険料必要額を算出していきます。高齢化の進展や介護保険サービスの充実のためには一定程度の費用負担は必要であると考えていますが、3カ年の介護保険事業運営の中で発生する介護給付準備基金を次期保険料抑制のために活用していきます。
     保険料については、現在でも負担能力に応じたきめ細かい保険料段階を設定していることから、区独自減免制度を実施する考えはありません。

     

     

    ◆32番(沢田あゆみ) 次に、障害者福祉について質問します。
     新宿区は、来年から10年間の「障害者計画」と当面3年間の「第5期障害者福祉計画」と「障害児福祉計画」を策定中で、これに先立ち、昨年度、新宿区内在住の障害者・障害児の生活実態、障害福祉サービス等の利用意向及び利用状況等を把握するための調査を実施しました。この結果を踏まえ、以下、質問します。
     第1は、障害者差別解消法の周知・啓発と区条例の制定についてです。
     区の実態調査では、差別解消法が施行されたことを「知らない」「わからない」と回答した方が在宅障害者の60.9%、施設入所者の74.4%、18歳未満の児童の保護者の方の49.6%でした。
     昨年の第3回定例会で我が党が障害者差別解消のための条例制定を求めたのに対し、区長は「障害者差別解消法の施行により理念が共有化され、国・自治体・事業者の取り組むべきことが明確になり、既にさまざまな取り組みが行われていることから、区独自の条例制定は考えておりません」と答弁されましたが、調査の結果は、障害当事者にも理念が共有化されていない実態が浮き彫りになったと思います。
     現在、19府県10市で障害者差別解消のための条例が策定されています。
     新宿区は、職員対応要領の策定、昨年5月に障害者差別解消支援地域協議会の立ち上げ、障害者差別解消についてわかりやすく説明したチラシを作成し、区立障害者福祉施設や特別出張所などに5,000枚配布しているそうですが、小・中学校には配布されていないようです。
     この1年間の区の取り組みと成果、今後の方針について、区長と教育委員会に答弁を求めます。
     兵庫県明石市では、「明石市障害者に対する配慮を促進し誰もが安心して暮らせる共生のまちづくり条例」「(通称)障害者配慮条例」を昨年4月に策定し、事業者や地域の団体が障害のある人に必要な合理的配慮を提供するためにかかる費用を助成する制度も条例で根拠を持たせています。
     点字メニューの作成、筆談ボードの購入費用、簡易スロープの工事費など150件の助成申請があったそうです。
     また、明石市は、法第17条で定める「障害者差別解消支援地域協議会」を市条例で「障害者の差別の解消を支援する地域づくり協議会」という名称で設置し、公募市民も含めて行政の施策推進に積極的役割を発揮しています。
     東京都が条例制定の検討を始めたことは承知していますが、新宿区も明石市のように差別解消とそのための制度を実行できる財政措置まで規定した条例をつくり、差別解消に取り組む姿勢を明確に示すべきではないでしょうか。
     また、新宿区は、法第17条で定める協議会を既存の「障害者自立支援協議会」で代替していますが、ここに公募区民の委員を加えてはどうでしょうか。
     具体的な啓発として、小・中学校での障害者差別の解消を目指す授業などでの取り組み、生涯学習での取り組みを強化すべきと思いますが、いかがでしょうか。
     あわせて、日本障害者協議会が提唱しているイエローリボンバッジ、ここにきょうしておりますけれども、このバッジとイエローリストバンドなどの普及に積極的に取り組み、啓発活動を強めてはいかがでしょうか。
     次に、安心して地域生活を送れるための支援の充実について質問します。
     障害者実態調査で障害別の要望を見ると、身体障害では「建物・道路などのバリアフリー化」、知的障害では「グループホームの整備・充実」、精神障害では「経済的支援の充実」、発達障害では「障害者理解・障害者差別解消の推進」、難病・特定疾患では「医療に関するサービスの充実」が多く、各障害ごとに特徴がよくあらわれています。
     また、私たちもさまざまな障害者団体の皆さんと毎年懇談を行っていますが、そこでも寄せられている3点について質問します。
     第1に、区立のグループホームを設置することです。
     知的障害者のグループホームの整備計画は、この間民間任せになっています。しかし、物価の高い新宿区では、敷地を得られても建物をつくる資金は補助金を受けても足りません。区として建設目標を決め、その達成に責任を負うべきですが、そのためには区立での施設整備が必要ではないかというのが障害者団体の皆さんの要望となっています。いかがでしょうか。
     第2に、新宿生活実習所の移転・改修・新設についてです。
     新宿生活実習所は、現在も定員いっぱいで、このまま新たな通所者を受け入れることはできません。同時に、施設はフロアが2階と4階に分かれ、保育園等との合築施設であるため、上下の移動にはエレベーターを使わなければならない構造的な問題があります。目が届きにくい構造の中で、利用者の高齢化や重度化に伴い、職員の負担も大きくなっています。
     新宿生活実習所を移転・改修・新設などの検討を早急に行い、当面できることとしては、職員の配置をふやし、利用者が安心して通所できるようにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
     第3に、医療的ケアが必要な方を受け入れるショートステイの改善についてです。
     区は、けやき園等のショートステイ利用者が少ないことをもって、ショートステイは充足していると言っています。しかし、実態は介助体制の不安から、利用をためらう方々がいると聞いています。重度の方を受け入れるのにふさわしい人員配置ができるよう、区が支援をすべきです。
     例えば、訪問看護ステーションの看護師を派遣するなどの方法も含めて、医療的ケアを充実し、家族が安心して利用できるようにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
     以上、答弁願います。

     

     

    ◎区長(吉住健一) 障害者福祉についてのお尋ねです。
     初めに、障害者差別解消法施行後1年間の取り組みと成果、今後の方針についてです。
     区では、障害者差別解消の推進に向け、御指摘の取り組みのほか、新たに障害当事者視点から障害理解を深める取り組みとして、知的障害等の疑似体験を実施し、さらに区内飲食店などの事業所に向けて、各団体の会合に出向き、周知を行うなど、さまざまな事業を実施してきました。これにより、障害の状況に応じた合理的配慮の考え方などの理解を促進することができたと考えています。
     今後も東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を好機と捉え、障害者差別解消に向けた施策を計画的に推進し、理解啓発活動を効果的に実施していきます。
     次に、障害者差別解消に向けた条例制定等とイエローリボンバッジ・イエローリストバンドによる普及啓発についてのお尋ねです。
     区では、「障害を理由とする差別の解消の推進」を第一次実行計画事業に掲げ、財政的な措置を確保し、区民への理解啓発、障害の特性に応じたコミュニケーション支援等の事業を効果的に実施していきます。
     また、生涯学習での取り組みとして、「ふれあいトーク宅配便」により障害者差別の解消に向けた講座を設け、区民への理解啓発を図っています。
     こうした取り組みを計画的に行い、障害者差別の解消の推進を着実に進めていくことから、区独自の条例制定による制度の推進やイエローリボンバッジ・イエローリストバンドによる理解啓発の推進は考えておりません。
     次に、障害者差別解消支援地域協議会委員に公募区民を加えることについてのお尋ねです。
     新宿区障害者自立支援協議会の差別解消推進部会を障害者差別解消支援地域協議会として設置しています。
     委員は、学識経験者や障害当事者を含む障害者団体の代表者の他、人権擁護委員や行政相談員等を含めた19名で構成しています。
     部会では、障害当事者の視点を含めたさまざまな視点により、相談事例を初めとする区民からの声に耳を傾け、地域の実情に応じた差別の解消に向けた協議を行っており、公募による区民を委員とすることは考えていません。
     区立のグループホームの設置についてのお尋ねです。
     障害の重度化や障害者の高齢化、親亡き後を見据えて障害者が住みなれた地域での生活を継続できるように、グループホーム等の確保に向けて取り組んでいく必要があると認識しております。
     新宿区障害者計画・第5期新宿区障害福祉計画及び新宿区第一次実行計画では、社会福祉法人等によるグループホームの整備を計画に位置づけています。計画を実現するため、都の整備費用補助に区が独自に上乗せするなどの支援を講じ、民間による設置を促進していきます。
     なお、グループホームの開設・運営には、民間の力を活用する一方、区は活用できる国有地・都有地などの情報の収集・提供や開設に向けた助言を行うなど、積極的な支援を行っていきます。
     次に、新宿生活実習所についてのお尋ねです。
     新宿生活実習所は建設から43年を経過し、養護学校として使用されていた建物の2階と4階を使用しているため、さまざまな配慮や注意をしながら運営しているところです。
     さらに、指定管理者が利用者の状況を十分に把握し、創意工夫により安全に配慮して利用されております。
     現在のところ、施設の移転や大規模な改修の予定はなく、今後もこの建物を活用していく予定です。
     また、新宿生活実習所には、平成28年度から職員増配置のための予算を措置しています。今後も適切な労働環境の確保と、利用者が安心して通所できる環境の整備を指定管理者とともに進めてまいります。
     医療的ケアを必要とする方のショートステイ利用改善についてです。
     区は、医療的ケアを必要とする方の介護者に対して、研修や講習会を実施し、職員のスキルアップに取り組んでいます。さらに、新宿けやき園とシャロームみなみ風には、看護師の増配置を行うための人件費の一部助成を行っています。これにより、新宿けやき園等には、夜間帯も含め、常時看護師が配置されています。
     こうしたことから、訪問看護ステーションの看護師を派遣することは考えていませんが、利用後のアンケート等によりショートステイ利用者の意見を聞きながら、引き続き医療的ケアを必要とする方が安心して利用していただけるよう支援してまいります。

     

     

    ◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。
     初めに、障害者差別解消のための取り組みと成果についてのお尋ねです。
     教育委員会では、障害者差別解消法の施行に合わせ、平成28年4月に、保護者などの相談に適切に対応し、学校における障害を理由とする差別の解消を推進するために、「新宿区における障害を理由とする差別の解消を推進するための学校職員対応要領」及び「学校職員対応要領の施行に関する要綱」を定めました。
     各学校は、要領・要綱に基づき、保護者などからの相談に対して、児童・生徒本人及び保護者などの意思に十分配慮しながら対応し、組織的に解決を図っています。
     また、平成28年4月には、校園長を対象として「障害のある子どもたちの理解や支援」に関する研修会を実施し、学校現場への周知に努めました。
     さらに、同年7月には、教職員を対象として障害者差別解消法や障害者虐待防止法の骨子や考え方に触れつつ、具体的な事例を提示しながら、子どもたちへの支援や合理的配慮について理解を深めるための研修を実施しました。
     職層に応じたさまざまな研修の実施は、教職員の意識啓発や差別の解消に向けた学校の具体的な対応、授業を通して子どもたちの障害者理解につながっています。今後も、計画的に研修などを実施し、区立学校における障害者差別の解消を推進していきます。
     次に、小・中学校での障害者差別の解消を目指す授業などの取り組みについてのお尋ねです。
     教育委員会では、人権尊重教育推進委員会を設置し、障害者差別を初めとするさまざまな人権課題について正しい理解と認識を深めることができるよう、具体的な授業の事例を各学校に紹介しています。
     各学校では、これらの取り組みを参考に人権教育の充実を図っています。昨年度の人権尊重教育推進委員会では、人権課題である「障害者」について、幼稚園、小学校、中学校での授業などの実践と障害者差別解消法についての基本的な知識についてリーフレットにまとめ、各学校・園に配布したところです。
     また、今年度から全ての小・中・特別支援学校で、障害者スポーツ体験を中心とした障害者理解教育を実施しています。
     各学校では、ボッチャや車椅子バスケットボールなどの5つの種目から1つを選択し、児童・生徒が障害者スポーツの体験、選手との交流や事前・事後の学習を通して、障害のある方への理解などを深めています。
     今後も、児童・生徒が障害の有無にかかわらず、さまざまな他者を認め、共生していこうとする態度を身につけていくことができるように、各学校の障害者差別の解消を目指す取り組みを支援してまいります。
     以上で答弁を終わります。

     

     

    ◆32番(沢田あゆみ) ただいま区長と教育委員会から答弁いただきました。
     ここから先の突っ込んだ議論は、この後決算特別委員会も設置されますので同僚議員に託していきたいと思いますが、1点だけ再質問をさせていただきたいと思います。
     答弁が正面から答えていただいていないかなと思いましたのが歴史認識にかかわる問題なんですけれども、小池都知事の追悼文を出さなかったということに関連して区長に認識をお聞きしたんですけれども、何か先ほどの答弁だと、小池知事と同じような言い方にも聞こえたものですからもう一度お聞きしますが、関東大震災のときに朝鮮人虐殺があったという、この歴史の事実、これを区長はお認めになりますかという質問に対して答えていただきたいと思います。

     

     

    ◎総務部長(針谷弘志) 関東大震災直後の朝鮮人の虐殺ということでございますけれども、犠牲になられた方の人数など、そういったところにさまざまな意見があるという形での認識はしているところでございますので、そういうふうに御答弁させていただいたところでございます。

     

     

    ◆32番(沢田あゆみ) ですから、今のはあったかどうかということに正面から答えていなくて、私は区長に、政治家としての区長に聞いているんですから、区長から明確に御答弁いただきたいと思います。
         〔「再々質問はないよ」と呼ぶ者あり〕
     答えていないから再々質問。答えてくれれば十分です。答えていないから再々質問。

     

     

    ○議長(佐原たけし) 再質問は1回でということで。
         〔「答えないから聞いているんです。答えていただければ終わります。しかも、区長に聞いています。政治家としての歴史認識を聞いているので。部長に聞いているわけではありません」と呼ぶ者あり〕

     

     

    ○議長(佐原たけし) 沢田議員の発言は質疑と認めます。
     沢田議員の質疑は既に3度目になりますので、会議規則第54条の規定により、中止を命じます。
         〔「私、再質問にしましたけれども、そもそも区長ではなく部長がお答えになりました。私は、区長に政治家としての歴史認識を再度ちゃんと答えてほしいと聞いたんです。それに対してお答えがなかったので再質問を、再々質問をしました。答えていただけていないことに対して質問をしたんですから、それはお答えいただければ、ここで私も終われるんですけれども。議長が区長に……」と呼ぶ者あり〕

      

    ○議長(佐原たけし) 暫時休憩します。

      

    △休憩 午後5時06分
    ---------------------------------------  

    △再開 午後5時34分

     

     

    ○議長(佐原たけし) 会議を再開します。
     大変お待たせいたしましたことを一言おわび申し上げます。
     沢田議員の再質問に対する答弁があったものと議会運営委員会の理事会においても認められました。
     それでは、沢田議員まとめを。

     

    ◆32番(沢田あゆみ) 先ほどの区長の答弁は、関東大震災のときの朝鮮人虐殺という史実をお認めにならなかったというふうに思います。大変残念です。
     以上で、私の質問を終わります。(拍手)

    区議会活動 | 沢田あゆみ

    2017.12.01 更新

日本共産党新宿区議団
〒160-8484 新宿区歌舞伎町1-4-1 新宿区役所5階 TEL.03-5273-3551 FAX.03-3200-1474