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    2018年第2回定例会で川村のりあき議員が一般質問を行いました

    6月13日の本会議で、川村のりあき議員が羽田空港の新飛行ルートについてと「哲学堂公園再生整備基本計画」について一般質問を行いました。
     *正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。

    (川村のりあき議員) 日本共産党区議団の川村のりあきです。私は、羽田空港の新飛行ルートについてと「哲学堂公園再生整備基本計画」について一般質問します。
     第一に、羽田空港の新飛行ルートについてです。
     羽田空港の「機能強化」を掲げた新飛行ルートの問題については、2016年第1回定例会一般質問を皮切りに、機を捉えて質問してまいりました。この間、区民の声に応え区長や議会から要望書や意見書を提出してきましたが、区民の不安が払しょくされたとは到底言えない状況と考えます。いよいよ新飛行ルート供用まで1年半となった今日、新宿区が行動すべき時と考え、以下質問します。
     3月に「落下物対策の強化策」(以下、報告書)と、それを受けた「落下物対策総合パッケージ」(以下、パッケージ)が発表されました。これは、国交省、有識者、空港管理者、航空各社等で作る「落下物防止等に係る総合対策推進会議」において、4回のワーキンググループの会議、2回の総合対策推進会議を行い、議論の結果を、落下物防止対策基準、落下物防止対策集、補償等の充実としてまとめたもので、5月28日締切りで「航空法施行規則の一部を改正する省令案に関するパブリックコメント」を行い、7月公布されます。
     この報告書とパッケージは、ハード・ソフト面両から縷々対策が書かれています。ただ、報告書を見ますと、落下物対策基準については、「日本ほど欧米当局は取り組んでいない」「国際民間航空機関(ICAO)や外国当局(特に欧米当局)への働きかけをしっかり行うべき」との指摘がされるように落下物対策に対しての大きい温度差があります。同報告書を読んだ専門家からは、「日本に乗り入れる外国航空会社のパイロット、整備士に研修するとしているが誰がどのように行うのか、行ったかどうかをどう確認するのか」「整備手順、安全点検が日本向けに確実に実行されたか確認できるか」との疑問が出されました。特に大事な事故発生時の補償の問題では、成田AOC(成田国際空港航空会社運営協議会)には83社が加盟していますが、未加入の8社は協定に加わらないため、独自の対応となり、落下物の当事者であることを会社が認めない限り、被害者は補償されず不利益を被るというのです。区長は、この報告書とパッケージについて、どう評価されていますでしょうか。ご所見をお聞かせください。さらに、根本的な問題があります。外国航空会社にはこれらの対策をお願いすることはできても、ルールを守らせたり処分を行う法的な枠組みがないため、拘束力がないという問題です。日本に乗入れる機体を独自の基準で整備させることや機体トラブルによって基準に合わない機体が飛行せざるを得ない事態が起こり得ること、ICAO(国際民間航空機関)の組織上、落下物対策に協力しない航空会社の乗入禁止が国際的に通用するかなど、現実的でないと専門家から指摘されています。区長は、国交省の示す落下物対策の実効性は確保できているとお考えでしょうか、ご所見をお聞かせください。
     安倍首相は新飛行ルートについて、通常国会における施政方針演説で「地元の理解を得て」と強調しましたが、地元の理解を得る努力が十分とは思えません。私が、2016年第1回定例会一般質問から取り上げ、未だ区は要請中としている地域別の教室型説明会はいつ実現するのかお聞かせください。国が積極的でないならば、新宿区主催で国交省を呼び説明の場を設定すべきと考えますが、ご所見を伺います。
     先日放送の「噂の東京マガジン」では3度目の特集と銘打って新飛行ルートに対し、港区、大田区、川崎市の住民の反対運動が報じられていました。数か月の間に「テレビタックル」や「羽鳥真一モーニングショー」、テレビ朝日の「モーニングニュース」等でも住民の反対の声が取り上げられてきました。私どもはそもそも、都心上空を低空で飛行し、騒音や振動、落下物で区民の命を危険に晒す、新ルート案について中止を求める立場ですが、実効性ある落下物対策ができず地元理解も得られてない以上、新宿区として新ルート案について中止を求めるべきと考えますが、区長のご所見を伺います。

     第二に、「哲学堂公園再生整備基本計画」についてです。
     西落合に隣接する哲学堂公園は、利用者の約半分が新宿区民で、朝のラジオ体操には100人以上が集まるなど、地域で愛されている公園であり、非常時には新宿で9つしか指定されていない避難場所として同公園一帯は8万人超の住民が利用することが想定されています。4月28日(日)の噂の東京マガジンで特集され、改めて反響を呼びましたが、この公園で、樹木の大量伐採を伴う開発が住民の意志を無視して進められようとしています。10日投票の中野区長選挙でも大きな争点となりました。
     哲学堂公園は、約100年前、東洋大学の創設者でもある哲学者の井上円了氏が、園内を散策しながら哲学を体験できる場として創設したものです。自然が豊かであり、約60種類の樹木、野鳥は50種類以上観察され、絶滅危惧種ツミの営巣が確認されています。昆虫類は380種類以上、キノコの種類が多いことも、土壌の豊かさを示しています。
     中野区は「哲学堂公園再生整備基本計画」(以下、同計画)を、2017年10月に発表しました。2020年オリンピック・パラリンピックに向け、公園を「都市観光の拠点」にするとのことで、哲学堂公園を再生し、新たに学習展示施設を設置する予定ですが、樹木の整理と称して大量の樹木を伐採する問題、多くの地域住民が利用している児童遊園が大幅に縮小するという問題が起こり住民から多くの疑問が出されています。
     住民向け説明会の資料では、「常緑樹の整理」「児童遊園の7本のヒマラヤスギは伐採」「妙正寺川沿いの樹木は整理」「見通しをさえぎる樹木は整理」「園路に影響を与える樹木は整理」「景観の回復のため樹木を除去」「中野通りとの連続性を持たせる」「明るさ確保のため樹木整理」「不健全な樹木は伐採」等、様々な理由で樹木を「整理」「伐採」する計画です。樹木が失われる事で、貴重な生態系に大きな影響が与えられかねません。平和の森公園で約1万7000本も樹木が伐採されたのと同じようなことになっては困ると多くの住民が心配しています。また、同計画では児童公園が大幅に縮小、閉鎖管理となる予定で避難場所として悪影響となることが懸念されています。さらに、哲学堂公園は児童公園を含め、東京都名勝に2009年に指定され、その状態を改変すべきでないとされているにもかかわらず、東洋大学や東京都に相談なく計画を進めていたことも明らかとなりました。しかも中野区は当初、東洋大学や東京都の意向であるかのように区民に説明していたのです。
     これまで住民側からは、中野区へ「公園内の児童遊園と周辺樹木の維持」の陳情書、要望書が区に提出され、中野区議会にも同趣旨の3300筆の署名陳情が出されています。ここにも多くの新宿区民が名を連ねていると聞きました。
     そこで区長に伺います。同計画を進める際、新宿区への照会はどのようなものがありましたでしょうか。「哲学堂公園再生整備基本計画」にあたっては、自然環境と避難所への十分な配慮を行うよう、中野区へ働きかけをすべきと考えますがいかがでしょうか。
     以上、ご答弁願います。

     

    (野田勉・環境清掃部長) 川村議員のご質問にお答えします。
     羽田空港の新飛行ルートについてのお尋ねです。
     はじめに、「落下物対策の強化策」(報告書)及び「落下物対策総合パッケージ」を、どう評価しているかについてです。本報告書では、落下物防止対策基準の策定や落下物防止対策集の作成、補償等の充実について専門的に議論し、課題を整理しています。「落下物対策総合パッケージ」は、報告書を踏まえ、国が、具体的な対策を取りまとめたものです。「落下物対策総合パッケージ」では、落下物防止対策基準を平成30年度内に国内及び日本に乗り入れる全ての外国航空会社に適用し、ハード・ソフト一体となった対策を義務付けることとしています。ご指摘の外国航空会社での研修の実施や安全点検の実施確認等についてですが、国に確認したところ、落下物防止対策基準の施行に合わせ、各航空会社の事業計画に実施の記載を義務付け、確認を行い、基準の遵守を求めていくとのことです。
     また、補償に関する未加入の問題については、国は、被害に対する十分な補償を確保するため、新たに落下物被害者救済制度への加入の義務付けを検討していると聞いています。さらに、補償費の立替えや空港運営者による見舞金の給付といった仕組みも構築していくとのことです。これらのことから、「落下物対策の強化策」(報告書)及び「落下物対策総合パッケージ」は、従来の対策を充実・強化させたものと認識していますが、更なる対策について引き続き国に要望してまいります。
     次に、落下物対策の実効性についてです。
     外国航空会社への法的な枠組みについて、国は、関連法令を改正し、国内及び日本に乗り入れる全ての外国航空会社に落下物防止対策の早期実現を義務付けることで実効性を担保するとしています。さらに落下物防止対策基準違反が判明した場合には、不利益処分等の実施も検討していると聞いていますので、今後、国の取組状況等について注視してまいります。
     次に、教室型説明会の開催についてです。
     この間の区の要請に対し、国からは、オープンハウス型説明会に加え、地域の要望に応じた形式で「情報提供の場」を設けたいとの回答を得ています。このことから、区が説明会を主催する考えはありませんが、教室型説明会の早期開催に向け、引き続き国との調整を行っていきます。
     次に、新ルート案について中止を求めるべきとのお尋ねです。
     羽田空港の機能強化の必要性については理解していますが、安全対策・騒音対策を徹底するとともに、区民に十分な説明を行った上で進めていくべきものと考えています。区では、中止を求める考えはありませんが、区民の安全・安心を守るために、引き続き、落下物対策などの安全対策・騒音対策の徹底、丁寧な説明や正確な情報提供について国に強く要望してまいります。

    (田中孝光・みどり土木部長) 「哲学堂公園再生整備基本計画」についてのお尋ねです。
     「哲学堂公園再生整備基本計画」については、中野区が、歴史・文化を活かした都市観光拠点の核を形成することを目標に策定した計画です。この計画を進めるに当たって、中野区からの意見照会は受けておりません。哲学堂公園は、新宿区に隣接し、新宿区民に親しまれている公園ですので、ご質問の趣旨を中野区に伝えるとともに、今後、中野区が実施する事業を見守ってまいります。

    区議会活動 | 川村のりあき

    2018.06.30 更新

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