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    2019年第1回定例会 雨宮たけひこ議員が一般質問を行いました

    2月20日の本会議で雨宮たけひこ議員が、 コミュニティバスについて 一般質問を行いました。

     

     

    ◆38番(雨宮武彦) 日本共産党区議団の雨宮武彦です。

     コミュニティバスについて一般質問をいたします。

     今、「新宿にコミュニティバスを走らせる会」の皆さんが、「新宿区でコミュニティバス運行を求める陳情」の署名に取り組んでいます。陳情の理由には、「私たちが暮らす新宿区は、地下鉄などの交通網は発達していますが、起伏に富み、坂道や狭い道も多く、高齢者や身体に障害があるなど歩行に困難がある方にとって出歩くことは容易ではないまちです。商店、銀行、病院、駅、特別出張所、高齢者施設、スポーツ施設、銭湯などを結ぶ、小回りがききバス停間隔も短いコミュニティバスがあれば、誰にとっても優しく安心して暮らせるまちになります。移動が困難な方々の引きこもりを防ぎ、区民同士の顔が見える元気で活気あふれるまちになります」としています。

     会員の皆さんがこの署名を持ってまちを歩くと、「路地裏を走る小さいバスがあると便利だよね」「銭湯に行くのに坂道を登るのが大変」「用事があって中央区役所に行った帰りに三越を通る小さいバスに乗って買い物をしてきたけれども、新宿でもバスがあったらいいですね」と、次々と署名をしてくれるそうです。

     昨年、第4回定例会代表質問のコミュニティバス運行を求める質問に対し、区長は、「著しく交通の利便性が低いとは言えない新宿区において、採算性の問題など、これまでのさまざまな議論を踏まえ、導入する考えはありません」とお答えになりましたが、余りにもそっけない答弁に驚きました。四谷でも高齢者がふえており、コミュニティバスを検討した14年前に比べてもコミュニティバスの必要性はさらに大きくなっています。

     先日、四谷地域に唯一ある銭湯の塩湯さんに「銭湯を続けて運営してほしいと思っているんですが、何か新宿区に要望がありますか」と伺いましたら、「若葉町から来るお客さんや、四谷四丁目など遠くから来るお客さんのためにコミュニティバスを走らせてください」とのことでした。区長は、こうした「コミュニティバスを走らせてほしい」との区民の要望や声を聞いたことがないでしょうか。お聞きいたします。

     新宿区議会で1998年12月に「コミュニティバスの運行に関する陳情」が全会派一致で採択され、1999年に区が地域密着型バス検討委員会を立ち上げ、2001年に報告書が出されました。2005年、「バス導入について優先的に検討するエリア」として、地元の気運の高い四谷地域をモデル地域として、2006年12月、四谷地域バス勉強会を設置し、3回の勉強会の後、翌年、四谷地域で四谷地域バス準備会に移行し、13回まで開き、5年間にわたり地域が主体となって運行ルート(バス停の位置)や事業収支など運行計画を作成し、検討してきました。私を含む四谷地域の議員は、バス準備委員として参加してきました。改めて勉強会や準備会の議事録を読み返してみますと、一人ひとりの準備委員が実現させようとの熱心な思いを感じました。最終的には、初期費用が7,000万円、運行経費が年間5,000万円かかることに対し、区が補助金を出さないことが、この計画を断念せざるを得なくなった最大の要因であったと認識していますが、区長はどのような認識でしょうか。伺います。

     あれから14年がたち、四谷のまちも大きく変化しています。四谷駅前の再開発、若葉町の共同化建替えによるマンションの増加、三栄通りの無電柱化など進む一方で、若葉二丁目の商店会は解散し、共同建替えによるまちづくりで若葉湯もなくなり、商店も減り、若葉通りは寂しくなりました。南元町の通りには商店がなくなり、大京町の通りもスーパーがなくなり、商店も減り、地域の方からは、「買い物難民になり不便で困る」との声が出ています。四谷坂町の通りも、酒屋さん、八百屋さんなど店がなくなり寂しくなりました。

     吉住区長は、国会議員の秘書の時代に四谷地域を担当されていましたから、この10年から20年で町並みも商店会も大きく変わってきていることを認識されていると思いますが、どのように感じておられますか。感想も含めて伺います。

     区は、コミュニティバスを実施しない理由に、「鉄道や路線バス網が整備され、公共交通の利便性は高い状況にあり、採算性の面もあり導入しない」と、この間の代表質問や予算・決算特別委員会で質問に答弁しています。新宿区が検討を開始した以降も、中央区、墨田区、大田区、板橋区など4区が実施し、23区中16区でコミュニティバスが走っています。品川区では、現区長が昨年の区長選でコミュニティバスを検討すると公約し、2019年度に検討し、実施の方向とのことです。港区や渋谷区ではルートをふやすなど増便しています。実施している渋谷区、港区、中央区、文京区等は、地下鉄も鉄道も路線バスも走っており、新宿区と同じように公共交通の利便性が高い区ではないでしょうか。違いがどこにあるのでしょうか。お答えください。

     もう一つ、実施しない理由で採算性についてですが、区の負担額、補助金額は、周辺の千代田区、約8,300万円、中央区8,000万円、渋谷区9,400万円、文京区1,400万円。ほとんどの区が採算面では赤字で、その分を負担しています。新宿区の財政力からして十分にできます。2017年度決算は、実質単年度収支は40億円の黒字で、5年連続黒字で、基金積立金残高も469億円となっており、今年度末には514億円となる見通しで、財政的にもコミュニティバスを実施することは十分可能です。なぜ他の区でやれることができないのでしょうか。どうして新宿区ではコミュニティバスに区民の税金を使えないのでしょうか。お答えください。

     区長は、昨年の代表質問の答弁で、「高齢者がさまざまな場所に出かけることはよいことですが、高齢者のフレイル予防のためには、歩くことと筋力トレーニングが重要であり、人にやさしい道づくりを進めてまいります」と述べています。フレイルには、筋力低下などが起きる身体的フレイルのみならず、認知機能の低下、鬱から起きる精神・心理的フレイル、歯や口の衰えから起きるもの、独居や閉じこもりからくるものなどであると言われており、歩くことや筋力トレーニングも重要ですが、それだけではありません。フレイルの予防にも、高齢者が日常生活の中で外出しやすく、閉じこもりにならないようにすることが重要で、買い物や習い事、レクリエーションなど、周りの人たちとのコミュニケーションがとれて日常生活の支えになるような支援に効果があると言われています。コミュニティバスの役割こそフレイル予防になるのではないでしょうか。お答えください。コミュニティバスの役割と認識についても伺います。

     名古屋市が2013年に行った敬老パス(バスの利用について)の調査は、コミュニティバスそのものの調査ではありませんが、「バスを利用することによりどのような効果があるのか」として、外出1回で約1,400歩の歩数増加となり、目的地でその歩数も加算されることから、健康効果はさらに多くなるとバス利用を評価しています。名古屋市の例からしても、最も身近に利用できるコミュニティバスがあれば外出意欲もわき、同じような効果が出て、健康寿命を延ばす力になるのではないでしょうか。重ねてコミュニティバスを走らせることを強く求めます。御答弁願います。

     

     

    ◎みどり土木部長(田中孝光) 雨宮議員の御質問にお答えします。

     コミュニティバスについてのお尋ねです。

     初めに、コミュニティバスを走らせてほしいとの御要望については、しんじゅくトークなどで直接御意見をお聞きしているとともに、区民意見システムでも、直近の3年間に2件の御意見が寄せられています。

     次に、四谷地域バス準備会は、四谷地域の方々により平成19年9月に設置され、四谷地域バスの運行内容などについてさまざまな意見が出され、活発な討議がされたとお聞きしております。最終的には運行ルートを設置できなかったことや、採算性及び地域内でのバスへのニーズが異なり、一定の方向性を出すことができなかったことから、コミュニティバスの導入に至らなかったものと認識しています。

     四谷地域のこの10年から20年を振り返ってみますと、地域に親しまれてきた個人経営の店舗が少なくなったと感じています。事業者の高齢化や後継者がいないなどの理由から店を閉めたと聞いており、非常に残念に思っております。また、四谷地域の街並みについては、四谷駅前地区では市街地再開発事業が始まり、若葉通り沿道では木造住宅密集地区整備促進事業が進捗しております。道路では外苑東通りが拡幅され、三栄通りが無電柱化されるなど、災害に強い、安全安心なまちづくりが進んでいると感じています。

     次に、公共交通の利便性が高い区でも実施していること及びコミュニティバスへの税投入についてです。

     コミュニティバスを運行する自治体の目的や導入理由は、にぎわいの創出や地域内での交通不便地域の解消などさまざまであり、各自治体の独自の判断と責任により地域の実情に沿って実施されているものと考えております。他自治体の施策についてコメントする立場ではございませんが、新宿区においては、採算性の問題など、これまでのさまざまな議論も踏まえ、新たなコミュニティバスは導入しないものと判断したものです。

     また、コミュニティバスへの税投入に当たっては、一部地域の移動ニーズに応えることのみならず、公平性の確保や後年度負担など、総合的に判断することが極めて重要であると考えています。

     次に、コミュニティバスと「フレイル予防」についてのお尋ねです。

     高齢者が電車やバス等の乗り物を利用し、さまざまな場所に出かけることで歩く機会がふえることは、フレイル予防や健康寿命の延伸につながるものと考えます。このため、フレイル予防という観点からコミュニティバスの効果を完全に否定するものではありませんが、コミュニティバスの役割は交通不便地域の解消であると認識しているため、御提案のフレイル予防を主眼としたコミュニティバスの導入については考えておりません。

     以上で答弁を終わります。

     

    ◆38番(雨宮武彦) 御答弁ありがとうございました。

     私も7期、28年、区議会議員をやっていますが、半分近くは四谷地域の皆さんと一緒に、何とかコミュニティバスを走らせようというふうに一生懸命やってきました。今お話がありましたけれども、いろいろとアンケートをとったり、その時期には余りバスに乗らないんじゃないかというような意見も出たりしたことは私もよく知っています。しかし、実際に今、この四谷地域、牛込の地域、落合の地域は本当に坂が多いという中で、高齢化も進む一方で、やはりどこへ出るのにも、そういう路地裏を走るコミュニティバスがどんなに求められているか。また、これは採算の面でも、走り始めれば多くの人が便利だなというふうになってくると思うんですよね。

     そういった点では、私は、交通不便性云々ということよりも、本当に区民の皆さんの声をどう区政に活かすのかという、やはり区長が日ごろ言う現場、現実、そして区民の声を聞いて活かしていく区政ということの面からしても、僕はぜひこのコミュニティバスを走らせてほしいなというふうに思っていますし、今、署名に取り組んでいる皆さんもいらっしゃいますし、環境建設委員会にこの陳情も上がってくるようですから、私も委員としてもう一回しっかり議論をして、そういった声を大きくして、ぜひ実現できるように頑張っていきたいというふうに思います。

     以上で終わります。(拍手)

    区議会活動 | 雨宮たけひこ

    2019.04.30 更新

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