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    2017年第3回定例会 一般質問

    9月21日の本会議で、川村のりあき議員が以下の項目について一般質問を行いました。

    1. 発達障害児の支援における民間事業者との連携等について【区長】【教育委員会】
    2. 西武新宿線中井駅における北口至近横断歩道への信号機設置について 【区長】

     

     

    ◆8番(川村のりあき) 日本共産党区議団の川村のりあきです。
     発達障害児の支援における民間事業者との連携等についてと、西武新宿線中井駅における北口至近横断歩道への信号機設置について伺います。
     初めに、発達障害児の支援における民間事業者との連携等について、区長と教育委員会に伺います。
     この間、発達障害児の支援については、日本共産党区議団の代表質問、私自身も2014年第2回定例会での一般質問など、機を捉えて質問してまいりました。第一次実行計画(素案)では、東京都の計画を2年前倒しして全中学校で特別支援教室を展開することや、特別支援教育推進員の増員、保育所等訪問支援事業の実施件数増や、新規できょうだい児の預かり保育の実施など、新宿区の前向きな取り組みを評価するものです。今回は、当事者の療育の機会を保障し、保護者が良質で多様なサービスを選択できるよう、民間事業者との連携について質問します。
     第1に、現状認識についてです。
     現在、新宿区は、「第1期新宿区障害児福祉計画」「第5期新宿区障害福祉計画」策定を進めています。発達障害児の利用施設には、「児童発達支援」、「放課後等デイサービス」がありますが、障害者福祉課が発行する「受給者証」は、2016年度、「児童発達支援」314名、「放課後等デイサービス」228名交付、2015年度はそれぞれ313名、171名という推移です。また、利用者がふえている「放課後等デイサービス」の施設数は、2015年度末、6カ所から直近で13カ所と大幅に増加しています。これは、発達障害に対し理解が進み、療育の重要性についても認識されてきた結果だと思われますが、全国的には「2015年以降、利用者の減少状した介護保険事業者が多く参入し、営利優先、安上がりなサービスを助長」、きょうされん、これは障害者関連の全国団体で、旧共同作業所全国連絡会のことですけれども、そういった指摘もあり、サービスの質を心配する声もあります。
     そこで区長に伺います。発達障害児の推移と今後の見通し、療育にかかわる施設の整備状況、民間事業者に期待される役割と課題について認識をお聞かせください。
     第2に、民間事業者との連携、民間事業者の質の確保についてです。
     「あいあい」は、「あゆみの家」内から生まれ、充実とともに子ども総合センターに場所を移しましたが、新宿の障害児を支援する歴史ある拠点です。「あいあい」は、そのものが「児童発達支援」、小学2年生までの「放課後等デイサービス」の事業所であり、同時に、「発達相談・サービス利用相談」を行う施設となっており、2016年度からは「保育所等訪問支援」などの事業も開始しました。
     一方、現在では、民間の「児童発達支援」は7カ所とふえており、より連携を深めるべき時期となっています。例えば、「あいあい」の通所は保護者の同伴を基本としていますか、民間では送迎や特色ある指導を行っている施設もあります。「発達相談・サービス利用相談」を行う中で、保護者に求められれば民間事業者の紹介を行い、社会資源マップについては3年に1度作成と伺いました。ただ、施設は急増し、信頼できる事業者を選択したいという保護者の思いは当然です。
     そこで区長に伺います。「児童発達支援」、「放課後等デイサービス」の民間事業者について第三者評価の実施を促すことや、東京都が所管する認証保育所と同様に、都の指導監察とあわせ指導を行うことや、保育課が公私立の別なく保育士の研修を行っているように、支援員の研修や民間事業者との連絡、意見交換をする体制を構築すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。その上で、ホームページも含め最新の情報提供を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
     第3に、「放課後等デイサービス」と学校との連携についてです。
     2012年4月より児童福祉法等の一部改正により通所サービスの仕組みが変わり、一定期間がたちました。放課後等デイサービスは、高校3年生まで利用できる施設で、学校授業終了後や休日、長期休業期間など、生活能力向上のために必要な訓練、社会との交流の促進等の支援を受ける施設で、ニーズが高まり急増しています。
     教育委員会は、さきに述べたように、前倒しでの全中学校での特別支援教室の開設など意欲的な取り組みはなされていますが、「放課後等デイサービス」との連携はいまだ途上です。保護者からすると、学校においては「情報がない」状況です。校長会では制度などの紹介はありますが、民間事業者を含めた具体的な施設の案内などはありません。
     そこで、教育委員会に伺います。障害者福祉課との連携を強め、必要に応じ施設の紹介・案内ができるよう、特別支援教育コーディネーターのみならずスクールソーシャルワーカー、まなびの教室の教員、スクールカウンセラーを含め周知するようすべきと考えますが、御所見を伺います。
     第4に、認証保育所等への障害児等巡回保育相談事業についてです。
     療育に速やかにつなげることは、当事者の発達を保障する観点からも最も大事なことです。未就学施設においての取り組みについて、2014年第2回定例会での一般質問などで取り上げてまいりました。臨床心理士等専門家の派遣は、公私立の保育園、子ども園、公私立の幼稚園と拡大し、今年度、ついに残された課題とされてきた認証保育所と保育ママ在園児にまで拡大されたことを評価するものです。一方、保護者を含めた周知はまだまだと言えます。
     そこで、区長に伺います。認証保育所等への臨床心理士の巡回保育相談について、今年度、これまでの実績と周知の状況についてお聞かせください。
     次に、「西武新宿線中井駅における北口至近横断歩道への信号機設置」についてです。
     去る8月26日、西武新宿線中井駅駅前広場の落成式があり、長く続いた駅や駅周辺工事もいよいよ完成と、地域の皆様から歓迎されています。一方、何とかしてほしいとお話が出ている信号機設置についてお伺いします。
     落成式の挨拶に立たれた地域代表の町会長さんからは、完成の喜びの声と同時に、「中井坂下通りを横断する歩行者が車と接触しそうになっている例が散見される。事故が起こってからでは遅いので信号機を設置してほしい」との趣旨の発言がありました。近隣の方に伺うと、北口が供用されて数カ月、既に何度か危ない場面を見かけたとのことです。確かに、坂下通り中井富士見橋下の当該箇所は、カーブのため真っすぐは見通せません。特に車両のスピードが一定速度以上あればなおさらです。
     私は、9月11日月曜日、歩行者の横断が多い朝と夕方、比較的横断は少ないが自動車が一定スピードを上げるそのほかの時間と定点観測をしてみました。この数時間の中で、朝の時間は目白学園の交通整理の担当の方が安全確保をされているので比較的安心して見ていられるものの、自動車が一定スピードを上げている状況では、歩行者と何度か危ないと思われる場面がありました。
     落合第二地域センターで行われた「しんじゅくトーク」において同様の質問を受けた吉住区長は、「新設の例は昨今なかなかないが、働きかけていきたい」とお答えになっていました。
     そこで、区長に伺います。当該箇所について、歩行者の安全性についてどのように認識されているか。住民の声を受け、まず実態調査を行うべきと考えますが、御所見をお聞かせください。信号機の設置については、戸塚警察署への申し入れが必要不可欠ですが、今後の働きかけ予定と安全対策について御所見を伺います。

     

     

    ◎福祉部長(中澤良行) 川村議員の御質問にお答えします。
     発達障害児の支援における民間事業者との連携等についてのお尋ねです。
     初めに、現状認識についてです。
     発達障害児の人数を直接把握できるデータはありませんが、障害児を対象としたサービスの利用人数を見ると、サービスを開始した平成24年度と比べ、平成28年度は1.7倍の546人になっています。身体障害児及び知的障害児の人数が、この間、ほぼ横ばいであることから、サービス利用人数の増加は発達障害児の増加によるところが大きいと推察され、今後もこの傾向は続く見通しを立てています。
     施設の整備状況は、第4期障害福祉計画の策定時点の平成27年3月と今現在とを比較しますと、民間の児童発達支援事業所も放課後等デイサービス事業所もともに倍増しています。多様なニーズに応えるためにも、民間事業所の果たす役割は大きいものがあると考えています。民間ならではの得意分野を活かしたスポーツやダンスといったプログラムの提供や送迎サービスなど、保護者のニーズに応えることができるものと期待されます。利用する児童の個性に応じた支援内容、事業所とのマッチングや、一部の事業所においては支援内容の向上などが課題だと認識しています。
     次に、民間事業所との連携、質の確保についてのお尋ねです。
     児童発達支援や放課後等デイサービスの需要が高まっている中、支援の質の確保は重要なことと認識しております。区では、民間事業所を対象とした研修会の実施や、事業所間の連絡会・意見交換会を開催しています。サービス内容の向上と適切な運営が図られるよう、事業所への指導検査を実施するほか、第三者評価の受審も奨励しています。
     なお、児童発達支援や放課後等デイサービス事業所については、東京都がホームページで障害者サービス情報として情報提供を行っています。加えて、区では、サービス利用者にとってよりわかりやすく細やかな情報提供をするため、「社会資源マップ」を作成し、区のホームページに掲載しています。引き続き丁寧な情報提供に努めてまいります。

     

     

    ◎教育委員会事務局次長(山田秀之) 次に、「放課後等デイサービス」と学校との連携についてのお尋ねです。
     子どもたちの成長を支えるためには、学校と放課後の時間を過ごす居場所が連携することが必要です。特に発達障害等のある児童・生徒については、一人ひとりの特性に応じた支援が必要であり、両機関が十分連携することが重要であると認識しています。
     御指摘のとおり、教育委員会では、これまでも校長会などの機会を活用して、児童・生徒の支援に関するさまざまな情報を学校に提供してきました。今後は、放課後等デイサービス事業を所管する障害者福祉課と一層連携し、特別支援教育コーディネーター連絡会等の機会を活用して教職員などに事業者情報を提供することで、学校が発達障害等のある児童・生徒に対してこれまで以上に指導・助言できるように努めていきます。

     

     

    ◎子ども家庭部長(橋本隆) 次に、認証保育所等への障害児等巡回保育相談事業についてのお尋ねです。
     8月までに認証保育所から2名、事業所内保育所及び小規模保育事業所から各1名の合計4名の申請を受けました。「入園及び保育環境検討会」の結果、1名は低年齢であり、今後の集団保育の中で成長が見込まれるため、利用には至らず、現在3名が事業を利用されています。
     事業内容については、事業者へお知らせをしていますが、これから開催する事業者との懇談会の場などにおいて事例なども紹介することにより、事業内容の理解を促していきます。
     今後も、必要な方が速やかに療育へつながるように事業を進めていきます。

     

     

    ◎みどり土木部長(田中孝光) 次に、西武新宿線中井駅における北口至近横断歩道への信号機設置についてのお尋ねです。
     区では、中井駅周辺を西武新宿線と都営地下鉄大江戸線が交差する生活交流の中心と位置づけ、地域にとって利便性の高い魅力ある拠点となるよう整備を進め、このたび、平成29年8月に中井駅前広場が完成しました。広場の完成に伴い、中井通り付近の人の流れに変化が生じていることから、今後、実態調査をする中で安全性の確認を行ってまいります。
     信号機の設置については、これまでも戸塚警察署に伝えてきたところですが、改めて地域の声として伝えるとともに、さまざまな安全対策についても警察と連携して検討してまいります。
     以上で答弁を終わります。

     

     

    ◆8番(川村のりあき) 答弁をいただきましてありがとうございます。
     それぞれの点、認識は共有できて、積極的な取り組みもこれからに期待したいと思います。
     児童発達支援については、質の確保が前提ですので、質問にはしませんでしたけれども、特に未就学施設との連携が大切になってくると思いますので、また時期を捉えて取り上げてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
     以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

    区議会活動 | 川村のりあき

    2017.12.01 更新

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