東京厚生年金病院と社会保険中央総合病院を公的病院として存続させることについて
日本共産党のあざみ民栄です。 東京厚生年金病院と社会保険中央総合病院を公的病院として存続させることについて質問します。
政府は、2005年、全国10カ所の厚生年金病院について、廃止または売却する方針を決定しましたが、この売却方針に対し、全国の厚生年金病院のある地域・自治体から大きな反対運動が広がり、新宿区でも、地域の町会や患者さん達が「東京厚生年金病院の存続発展を願う会」をつくり、「東京厚生年金病院を公益性の高い病院として存続させてください」という内容の要望書に取り組み、6万筆を超える署名を集め、厚生労働大臣に提出しました。
同会は新宿区議会に対しても同趣旨の陳情を提出しましたが、この陳情は採択され、新宿区議会としても、意見書の提出を行いました。
こうした世論の高まりの中で、2005年6月の衆議院厚生労働委員会において、厚生年金病院の整理合理化を含む「独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案」に対し、「政府は、厚生年金病院の整理合理化計画については、地域の医療体制を損なうことがないように、十分検証した上で策定すること」などの付帯決議がなされました。
その後も地元からの存続要望が続くなか、2005年度中に策定するはずの整理合理化計画は未だに策定されないまま1年以上が経過しています。
一方、百人町にある社会保険中央総合病院を含む全国53カ所の社会保険病院についても、2006年度中に整理合理化計画の策定予定でしたが、こちらも未だ策定されていません。今年の第1回定例会には、地元関係者から「新宿区の医療充実のために社会保険中央総合病院・社会保険新宿診療所を公的機関として存続し、機能充実を求める陳情」が提出され、新宿区議会としてこれを採択し、意見書を提出したところです。
先日、5月6日付の朝日新聞に「厚生労働省は10カ所の厚生年金病院をすべて存続させる方針を固めた」という記事が掲載されました。
私たちは早速厚生労働省にヒアリングを行いましたが、「そのような事実はない」という回答でした。「厚生年金病院と社会保険病院は一緒に考えていこうということになっているが、社会保険庁の改革法案が2回流れてしまい、社会保険庁本体の方針が決まらないので病院の検討が止まっている。」しかも「経営改善をさせて03,04,05年度の決算をランク付けして計画に反映させようとしたが、厚生年金病院は10カ所のうち9カ所、社会保険病院は53カ所のうち51カ所が経営改善をして黒字になっているので、ランク付けができない」とも話していました。
東京厚生年金病院も社会保険中央総合病院もこれからどうなるのか判らない状態が続いており、地域住民、患者さん、病院関係者は不安を募らせています。地域住民のみなさんは、かかりつけ医と言ってもいいほど気軽に通院でき、いざというときは高度な医療を行ってもらえる両病院に大変厚い信頼を寄せています。民間に売却されれば不採算分野は切り捨てられる可能性があり、現在の機能、医療水準を維持するためには、公的病院としての存続が不可欠です。
そこで区長に伺います。
第1に、不安を抱える地域のみなさんに情報提供するためにも、区として厚生労働省など関係機関に今後の見通しなど、情報収集を行うべきではないでしょうか。
第2に、厚生労働省は、両病院を社会保険庁改革法案とは切り離して検討し、公的病院として存続させるべきと考えますが、区長はどのようにお考えですか。
社会保険庁は、今回の年金記録消失問題はじめ、様々な問題を抱え、病院計画はどんどん先送りにされかねません。病院の今後の見通しがないままでは医師、看護士、職員の定着が困難になってくるという話も聞かれます。区長のお考えをお聞かせ下さい。
第3に、東京厚生年金病院、社会保険中央総合病院それぞれの地元住民、関係者の意向に添って公的病院として存続させることを国に働きかけることについてです。
私たちは、2005年第2回定例会の代表質問で区長自ら国に働きかけていただきたいと求めましたが、区長は「公益性の高い病院として存続されることを切に願っております。」と答えるのみでした。
これからでも遅くはありません。ヒアリングの際、整理合理化計画を策定する前には、地元住民と地元自治体に事前に意見を聞いてから策定する、と言われていました。
全国10カ所の厚生年金病院のうち、5つの地元自治体では国に対して要望を行っています。北海道登別市長は自ら東京に出向き厚生労働省はじめ、関係機関、北海道選出の国会議員などにも陳情するなど精力的に存続を求める要望を行っています。大阪府枚方市は、3年連続して国への予算要望の中で、現在の病院機能を維持することを要望しているそうです。他にも、神奈川県湯河原町、大分県由布市、島根県松江市がそれぞれ存続を要望しています。また、北九州市は、計画策定前の地元自治体への事前聴取に備えるために、市内の病院長、医師会長など医療専門家でつくる「北九州医療体制あり方フォローアップ委員会」に対し、「公的病院としての役割」「公的病院として存続させるための条件」などを検討することを諮問しています。病院に対する地元自治体首長の真剣な姿勢がかいまみえます。
紹介した自治体は、議会、住民、そして首長が一体となって運動しています。整理合理化計画が策定されない今こそ、こうした取り組みが求められます。
私は改めて、区長自ら、東京厚生年金病院と社会保険中央総合病院を公的病院として存続させることを国に要望することを求めるものですが、区長のご見解をお示し下さい。